落葉性ツツジ

オンツツジの花
写真 オンツツジ
撮影時期 2015.4.11
撮影場所 香美市香北町「香北の自然公園」

科名・属名

ツツジ科
ツツジ属

園芸分類

落葉中木

別名

(特にありません)

原産地

日本ほか

用途

庭植え、鉢植え

花期

3〜5月

【落葉性ツツジについて】

日本は美しいツツジ類の豊富なことで知られていますが、大きくは常緑性と落葉性に分けることができます。園芸的には、サツキ、クルメツツジ、ヒラドツツジのように常緑性のツツジが発展してきましたが、落葉性のツツジは、あまり品種改良がなされていません。当然のことですが、植栽もやや少ないのが現状です。

しかし、落葉性のツツジの中にも美しい花を咲かせるものはたくさんあり、中でも、オンツツジ、クロフネツツジ、ゲンカイツツジなどがよく植えられています。

なお、レンゲツツジミツバツツジは別に取り上げています。

【栽培メモ】

庭植え、鉢植えの両方で育てていますが、耐暑性がやや弱い種類も少しありますが、ほんんどが栽培しやすいと言えます。

【落葉性ツツジの概要】

ゲンカイツツジの花

樹高

一般に栽培されているものは1〜3mほどです。

花色は多彩ですが、黄色〜オレンジの花が咲くものは限られます。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 比較的強い〜強い

耐寒性、耐暑性があり丈夫ですが一部に耐暑性がやや弱いものがあります。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

やさしい〜比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Rhododendron spp.

学名の説明

Rhododendron・・・・・・ギリシャ語の rhodon(バラ)+ dendron(樹木)が語源です。

weyrichii・・・・・ロシアの植物コレクター Heinrich Weyrich への献名

mucronulatum・・・・・「細微突形の」

schlippenbachii・・・・・(※ 未確認)

macrosepalum・・・・・ギリシャ語の macro(大きい、長い)+ sepalum(がく片)が語源です。

viscosum・・・・・「粘着力のある」、「ネバネバした」

【主な種類と品種】

落葉性のツツジにはたくさんの種類がありますが、カタログなどでよく見かけるものを紹介します。

オンツツジ
R. weyrichii

美しい大型のツツジで、花色は赤色が多いですが濃淡様々な花色があります。大型ですので、庭木として栽培されることはそれほど多くありません。

ゲンカイツツジ
R. mucronulatum var. ciliatum

樹高1〜2m程度の落葉性ツツジで、ツツジの中では最も開花の早いもののひとつです。花色はピンクのほか、紫がかったピンクや白花もあります。(写真:上から2枚目)

クロフネツツジ
R. schlippenbachii

朝鮮半島などに分布する落葉性の小高木で、花は薄桃色です。(写真:下から2枚目)

モチツツジ
R. macrosepalum

触ると粘々して、鳥もちなどに似ていることが名前の由来となっています。花は薄桃色の美しい花です。

ニオイツツジ
R. viscosum

北アメリカ原産のウィスコスム種とその交配種です。名前のとおり、甘い香りが特徴の落葉性のツツジです。(写真:最下段)

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 自然に樹形をつくっていきますので、それほど剪定の必要はありません。

植え付け

一般的に、落葉性のツツジは11〜12月又は2〜3月の葉のない時期に植え付けます。

クロフネツツジの花

庭に植える場合は、苗木の大きさにもよりますが、通常は根鉢の2〜3倍の植え穴を掘って、掘り出した庭土に3割程度の腐葉土(又はバーク堆肥)と、やや酸性の土壌を好むのでピートモスも併せて入れて庭土とよく混ぜ合わせて植えつけます。

この際、根鉢は周囲を少しほぐす程度にして植えつけます。あまり根鉢を崩すと、後の生育が悪くなります。

鉢植えの用土

酸性土壌を好むので、鉢植えの用土は鹿沼土を主体にしたものが適しています。鹿沼土に腐葉土(又はバーク堆肥)を2〜3割入れた用土などを使います。

植え場所・置き場所

庭に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。耐暑性の弱い種類は、午後は日陰になるようなところが適しています。

日当たりが悪いと花付きが悪くなって、ツツジ本来の花の美しさを味わうことができません。

鉢やプランターで育てる場合も日当たりのよいところに置きますが、夏場は半日陰に置いて鉢が乾きすぎるのを防ぎます。

植え替え

鉢植えは、2年に1回は植え替えます。

鉢から抜いて、表土と根鉢の土を軽く落として、一回り大きい鉢に植え替えます。

同じ大きさの鉢を使うときは、もう少し古い土を落として植え替えます。

剪定

落葉性のツツジは、自然に樹形をつくっていきますので、それほど剪定の必要はありません。

また、常緑性のツツジと比較して、萌芽力が弱いので、大きくなりすぎた場合を除き、全体を刈り込むような剪定は避けるようにします。

ニオイツツジの花

花後に、伸びすぎた枝を切り戻し、密生している枝をつけ根から切る程度にしておきます。

肥料

1〜2月ごろと花後に、油カスを主体にした有機質肥料を与えます。

病気・害虫

最大の害を与えるのは、ベニモンアオリンガです。この害虫は、蕾を食い荒らします。

また、グンバイムシが発生すると、葉の色が白っぽく汚れてきます。

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