キンセンカ

キンセンカの花
写真 'スノープリンセス'
撮影時期 2019.4.21
栽培状況 秋まき後、庭植え

科名

キク科

属名

キンセンカ属

学名

Calendula officinalis

園芸分類

秋まき一年草

別名

カレンデュラ

原産地

南ヨーロッパ、カナリア諸島

主な用途

庭植え、鉢植え

花期

3〜5月

【キンセンカについて】

キンセンカ(金盞花)は、南部ヨーロッパ原産のキク科キンセンカ属の秋まき一年草です。日本では江戸時代から栽培されていますが、タネから育てても栽培が容易なことから、春の定番の花のひとつになっています。なお、金盞とは、金の杯のことで花形に由来します。

蛇足ですが、キンセンカというのは、元々は、フユシラズという名前でも流通しているアルベンシス(C. arvensis)に付けられた和名で、現在、キンセンカとして栽培されているオフィシナリス(C. officinalis)には、トウキンセンカ(唐金盞花)という和名が付けられています。

また、属名は、calendae(月の最初の日、1か月)の縮小形です。元々は、月の最初の日を意味しますが、これが転じて1ヶ月になり、キンセンカが1ヶ月以上咲くことからこの名前が付いたと言われています。

あまりにも身近な花なので、つい軽く見られがちですが、種苗会社のカタログを見ると花の形や花色も増えていますので、キンセンカのイメージもだいぶ変わってきています。

【栽培メモ】

タネが大きく、よく発芽しますので育苗はすこぶる簡単です。群植すると開花時には一段と華やかになり、春の気分を満喫できます。

耐寒性がありますので、本来、霜除けは必要ありませんが、特に寒さの厳しい1月中旬から2月下旬に不織布でトンネルをしてやると春先に充実した株になり、上の写真のようによく咲いてくれます。

【育て方は下へ ↓ 】

【キンセンカの概要】

草丈

草丈は、50〜80pの高性種から30p程度の矮性種があります。鉢植えやプランターには、矮性種を使った方が管理が楽です。

八重咲き〜千重咲きで、大輪になると花茎10pを超える品種もあり、見ごたえがあります。

花色は、黄色、オレンジが主ですが、最近、美しい花色の品種が出ています。

キンセンカの花

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 弱い

寒さに強く、温暖地では霜除けしなくても冬を越します。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら

栽培難易度

※ タネから育てる場合:やさしい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名の説明

Calendula・・・・・ calendae(月の第1日、1か月)の縮小形です。

officinalis・・・・・「薬用の」、「薬効のある」

【主な種類と品種】

'アプリコットビューティー'

矮性のバイカラータイプの品種です。

'クリームビューティー'

草丈30pほどの矮性種で、黄色と白のバイカラー品種です。

'オレンジスター'

草丈50〜60pの切り花用の品種です。オレンジ色の鮮やかな花です。濃黄色の花の咲くゴールドスターもあります。

'スノープリンセス'

草丈30pほどの矮性種で、クリーム色の花が咲く品種です。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 苗が根腐れすることがありますので、タネは必ず清潔な用土に播きます。

※ 本葉7〜8枚のころに摘芯すると花立ちが多くなります。

タネまき

タネは、9月中旬〜10月上旬に頃にポット2〜3粒ずつ播きます。育苗箱に播いたことも再三ありますが、それほど問題なく育ちました。発芽適温は15〜20度ですが、関東以西の温暖地でも9月中旬から播いてもよく発芽します。

苗が根腐れすることがありますので、必ず清潔な用土に播き、覆土は3〜5oほどにします。

箱播きにしたときは、発芽後、本葉が2〜3枚のころに3号ポットに植え替えて育苗します。ポットに播いた場合は、苗の生育状況を見て、よい苗を1本残すようにします。

キンセンカの花

植え付け

本葉が5〜6枚になったら、花壇あるいは鉢やプランターに定植します。

苗の生育がよいので、植えつけが遅れないようにします。

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100〜150gほど撒いて、庭土とよく混ぜておきます。

1週間ほどしたら、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lと化成肥料を50gほど撒いて、庭土を深さ30cmほど耕してから植えつけます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土もしくは赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

株が少し大きくなりますので、花壇に植える場合は25p程度とします。標準のプランターの場合は、3株が目安です。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。

鉢やプランターに植えた場合も、日当たりのよいところに置いて育てます。

日常の管理

本葉7〜8枚のころに摘芯すると花立ちが多くなります。その後はほとんど手間いらずですが、終わった花がらはこまめに取り除き、株をきれいしてやると長く楽しめます。

キンセンカの花

冬の管理

耐寒性はありますが、温暖地以外は、霜除けをしたほうが安心です。

また、温暖地でも、厳冬期は、不織布などで霜除けをすると苗の育ちがよくなります。

肥料

鉢やプランターに植えた場合は、元肥のほか、冬場を除き、開花までに液肥を月に1〜2回程度与えます。

花壇に植えた場合は、元肥のだけで追肥は基本的に必要ありません。

病気・害虫

育苗中にヨトウムシの食害を受けることがあります。また、まれにウドンコ病が発生することがあります。

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