クレマチス

クレマチスの花
写真 ビチセラ系
‘エトワール バイオレット’
撮影時期 2017.5.20
栽培状況 鉢植え

科名

キンポウゲ科

属名

センニンソウ属

学名

Clematis hybrida

園芸分類

落葉つる性木本

別名

テッセン

原産地

日本、中国、南ヨーロッパ、西南アジア

主な用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜6月

【クレマチスについて】

クレマチスは、一般には、キンポウゲ科センニンソウ属の種間交配よって育成された品種群を指します。その多くは、テッセン(Clematis florida)、カザクルマ(C. patens)、ラヌキギノーサ(C. lanuginosa)そしてビチセラ(C. viticella)が交配元になっています。

多くの愛好家が栽培している人気の園芸植物のひとつですが、現在栽培されている品種の多くはヨーロッパで品種改良されたものが基になっていて、国内でも育種が行われています。

その中で、テッセンは中国原産で江戸時代に日本に伝来したと言われてますが、日本人好みの端正な花容で昔から栽培されています。なお、テッセンと言う場合、クレマチスと同義に使われることがあります。

また、カザグルマは、本州中南部、四国、九州、朝鮮半島それに中国に分布していて多くの園芸品種があります。

クレマチスは育種が進んだ結果、品種や、花色も豊富で、垣根やフェンス、ポール仕立てや行灯づくりなどいろいろな形で栽培されています。また、常緑の系統なども加わり、ますますバライティに富んだものになっています。

【栽培メモ】

スペースがないので大きな株に仕立てることができないでいますが、なんとか工夫してそこそこ楽しんでいます。

【育て方は下へ ↓ 】

【クレマチスの概要】

草丈

つる性で、放任すると約3mにも伸びます。

花は、一重咲きが一般的ですが、最近、八重咲きの非常に豪華な品種も多く出回るようになりました。

色は、多彩で、白、桃、赤、青、紫などの他に二色咲きの花もあります。また、花茎は大きいものになると15pを超えるものもあります。

クレマチスの花

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 比較的強い〜やや弱い

比較的耐暑性はありますが、種類によっては夏の暑さが苦手なものもあります。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら

栽培難易度

比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名の説明

Clematis・・・・・ギリシャ語の clema(つる)の縮小形

patens・・・・・「開いた」、「広がった」

lanuginosa・・・・・「軟毛がある」

florida・・・・・「花が満開の」

montana・・・・・「山の」、「山地の」

viticella・・・・・「小さなブドウの木の」

texensis・・・・・「テキサス州の」

integrifoli・・・・・「全縁の葉の」 ※ギザギザの切れ込みのない葉のことです。

【主な種類と品種】

パテンス系
C. patens

カザグルマの仲間で、大輪の花が多いのが特徴です。多くは一季性の旧枝咲きです。日本、中国原産で、カザグルマの仲間です。大輪の花が多いのが特徴で、多くは一季性の旧枝咲きです。

ラヌギノーサ系
C. lanuginosa

中国原産で、多くが大輪の花をつける四季咲き性の系統で、こちらも旧枝咲きです。

フロリダ系
C. florida

中国原産で、テッセンとその変種のシロマンエを交配親とする系統です。ひときわ目立つ八重の花が多いのが特徴です。新枝咲きです。

モンタナ系
C. montana

原産は、ヒマラヤから中国西部にかけての山間部です。多ほとんどの品種が一季咲き性ですが、クレマチスの中で最も多花性で、株を覆うほどの花をつけます。旧枝咲きです。

ジャック・マニー系
C. jackmanii

イギリスのジャックマン氏によって作られた品種です。多花性の中輪の花が多く庭植えに適しています。四季咲き性で、新枝咲きです。

ビチセラ系
C. viticella

新梢咲きの四季咲き性で、多花性です。暑さ寒さに強く丈夫な系統です。

テキセンシス系
C. texensis

原産地はテキサスで、壺型の花が横向きに咲きます。最近カタログに顔を出しています。新枝咲きです。

インテグリフォリア系
C. integrifolia

比較的耐暑性のある四季咲きの系統です。新枝咲きです。

冬咲き常緑系

クレマチスは一般に冬には葉を落としますが、この系統は冬でも葉をつけています。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 植えつけの際は、深植にしておくことが大切です。

※ クレマチスは、新枝咲きと旧枝先がありますので、それに合わせた剪定をすることが重要になります。

植え付け

クレマチスは、鉢植えでも庭植えでも育てることができます。11月〜3月頃に植え付けます。

庭に植える場合、苗が小さいときは1年は鉢で栽培して株を充実させてから植えつけると安全です。いきなり庭に植えると、十分に根付かず失敗することがあります。

庭に植える場合は、苗木の大きさにもよりますが、通常は根鉢の2〜3倍の植え穴を掘って、掘り出した庭土に3割程度のバーク堆肥(腐葉土)を入れて庭土とよく混ぜ合わせて植えつけます。また、酸性土を嫌いますので、植え付けの際、苦土石灰などを混ぜておきます。

なお、クレマチスは、庭植えでも鉢植えでも、植えつけの際に深植にしておくことが大切です。

クレマチスの花

鉢植えの用土

赤玉土、鹿沼土を等量に混ぜたもの7に対し、腐葉土(又はバーク堆肥)3程度の割合に混ぜた用土などを使います。

植え場所・置き場所

庭植えは、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。少なくても、半日以上日の当たる場所が適しています。

また、日当たりとともに、風通しのよい場所であれば最適です。

鉢やプランターで育てる場合も日当たりのよいところに置きますが、夏場は半日陰に置きます。

植え替え

鉢植えは、2年に1回が植え替えの目安です。時期は、12月〜3月ごろが適期です。

植え替えの際は、あまり根鉢を崩さないようにして一回り大きい鉢に植え替えます。

日常の管理

鉢植えでは、鉢土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。特に夏は乾きやすいので、水切れさせないよう注意します。

剪定

クレマチスは、新枝咲きと旧枝先がありますので、それに合わせた剪定をすることが重要になります。

旧枝咲タイプは、花後に軽く剪定します。冬は、旧枝をできるだけ残すようにします。

新枝咲タイプは、5月に花が終わったら、三分の一程度に強剪定をします。こうすると秋に花が再び楽しめます。冬も同様に強剪定をしておきます。

クレマチスの花

ふやし方

6月に、挿し木で増やすことができます。新芽が固まった頃、充実した枝から2〜3芽とってバーミキュライトなどに挿し木します。

肥料

クレマチスは、比較的肥料を好む植物です。

庭植えの場合は、元肥として植えつけ時に完熟堆肥を十分にすき込むとともに、花後の6月と冬に化成肥料を根元に撒いておきます。

鉢植えの場合は、2週間に1回程度、液肥を与えるとともに、生育期間中は夏場を除き、定期的に緩効性の固形肥料を置肥します。

病気・害虫

あまり気にする必要はありませんが、アブラムシ、ウドンコ病、サビ病が発生することがあります。

アブラムシは他の植物を消毒するときに、オルトラン乳剤を散布します。単独なら粒剤をまくと簡単です。病気にはダイセンなどで予防します。

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