キキョウ(桔梗) |
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【キキョウについて】 |
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キキョウ(桔梗)は、キキョウ科キキョウ属の宿根草で、秋の七草として万葉の昔から愛されてきています。「万葉集」巻十には、「朝がほは 朝露負ひて 咲くといへど ゆふ陰にこそ 咲きまさりけれ」と詠まれています。 牧野富太郎博士は、著書の中で、山上憶良が詠んだ秋の七草に出てくる「朝貌(あさがお)」は、キキョウ(桔梗)のことで、今、アサガオとして栽培しているものとは関係ない、また、これをムクゲとするのも誤りだと述べられています。ですので、上の歌に出てくる「朝がほ」もキキョウのことであるとされています。この時代にアサガオは、まだ、中国から渡来してなかったようです。 キキョウの星形の美しい花はなんとなく風情があり、また、丈夫で花も美しいことから、よく栽培されています。身近な宿根草ですので、キキョウ属でない植物にもキキョウという名前がつけられています。花の形が似ているホタルブクロ属のモモバキキョウなどがその一例です。 ところで、これほど身近な宿根草ですが、国内ではキキョウが生育できる場所が激減したため、「絶滅の危険が増大している種」として絶滅危惧種U類に指定されています。 【栽培メモ】 とても丈夫な宿根草で、毎年花を楽しむことができます。また、タネからも容易に育てることができます。 ある年にタネを播いたところ、袋に入っているタネの数が多いうえ、発芽が非常によく育苗も簡単でしたので、たくさんの苗ができてしまいました。それはそれでよいのですが、余った苗を捨てるのもかわいそうで、困ってしまいました。 【育て方は下へ ↓ 】 |
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【キキョウの概要】 |
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草丈 通常60〜80p程度になりますが、草丈20〜30pの矮性種もあります。 花 紫が一般的ですが、白、桃色の花もあります。変わったところでは、花が膨らんだまま開かないものや二重の花もあります。 秋の七草に入っていますが、開花時期は早く、6月には花を付けます。結実させないようにすれば、秋にも花を咲かせます。 耐寒性・耐暑性
耐寒性、耐暑性ともに強く、育てやすい花です。 (強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら) 栽培難易度 ※ タネから育てる場合:比較的やさしい ※ 苗から育てる場合:やさしい (やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分) 学名の説明 Platycodon・・・・・ギリシャ語の platys(広い)+ codon(鐘)が語源です。 grandiflorum・・・・・「大きい花の」 |
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【主な種類と品種】 |
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【 育て方 】 −私はこう育てる− |
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栽培のポイント ※ 草丈が伸びすぎて草姿が悪くならないよう、摘芯をします。 タネまき キキョウは、苗から育てることが多いですが、タネも販売されており、タネから育てることができます。通常は、4月中旬〜5月中旬ごろに播きます。温暖地の場合は、秋まきもできます。 育苗箱に播くか、ポットに直接播いてもかまいません。覆土は2mmほどにします。 箱まきの場合は、発芽後、本葉が2〜3枚のころにポリポットに植え替えて、苗を育てます。ポットに直接播いた場合は、発芽後、間引いて1本立てにします。 植え付け タネから育てた場合は、本葉5〜6枚になってポリポットの底に根が回ったら庭やプランターなどに定植します。苗は、春に売られていることが多いのでこれを買って植えつけます。 庭に植えるときは、腐葉土(又はバーク堆肥)を入れて、庭土とよく混ぜ合わせてから植え付けます。 秋まきの場合、播く時期が遅くなったりして苗が十分に育っていないときは、無理に定植せずポリポットに植えたまま春まで待って定植した方が賢明です。 鉢植えの用土 市販の草花用培養土に鹿沼土を2割ほど入れた用土、もしくは赤玉土と腐葉土(バーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。 株間 20p程度とします。60cmの標準のプランターの場合は、3〜4株が目安です。 植え替え 鉢やプランターの場合は2年、庭植えの場合は4〜5年を目安に、株分けを兼て植え替えます。 時期は、温暖地の場合は、春でも秋でも差し支えありませんが、寒さの厳しいところは春に植え替えます。 植え場所・置き場所 日当たりと水はけのよいところに植えます。ただし、夏の午後は日陰になるようなところが最適です。鉢やプランターも夏は半日陰になるところに移します。 日常の管理 キキョウを育てる場合のポイントは、摘芯にあります。摘芯をしないと、草丈が伸びすぎて草姿が悪くなるだけでなく、花数も少なくなります。 花が咲き出すと、結実させないように花がらをこまめに摘み取ります。花がほぼ終わったら、切り戻しをしておきます。 冬の管理 冬が来たら地上部が枯れますので、地際で切り取っておきます。 耐寒性がありますので霜除けは不要ですが、寒さの厳しい地域は霜除けをすると安心です。 ふやし方 タネから育てるほかに、挿し芽や株分けで増やすことができます。 肥料 肥沃な土壌が適しますので、庭に植える場合は、植え付け時に有機質肥料を入れておきます。翌年度以降は、3〜4月に有機質肥料を与えます。 鉢やプランターに植える場合は、春と秋に緩効性の固形肥料を置肥します。 病気・害虫 特にありませんが、なんとなく生育が悪い場合、センチュウの被害を受けていることがあります。 |
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