カスミソウ(かすみ草)

カスミソウの花
写真 ‘コべントガーデンマーケット’
撮影時期 2016.4.12
栽培状況 秋まき後、庭植え

科名・属名

ナデシコ科
カスミソウ属

園芸分類

秋まき一年草

別名

ムレナデシコ
ハナイトナデシコ

原産地

コーカサスなど

用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜5月

【カスミソウについて】

カスミソウ(霞草)は、コーカサス、ウクライナ、トルコなどが原産のナデシコ科カスミソウ属の秋播き一年草です。脇役の花と考えられがちですが、単独で植えても十分に美しいものです。

なお、カスミソウ属には宿根草と一年草がありますが、通常、単にカスミソウという場合は、ここで取り上げているエレガンス種を指します。

属名は、「石灰を好む」という意味ですが、特段、石灰質の土壌でなくてもよく生育します。

エレガンス種は、白花が一般的ですが、変種に赤花カスミソウがあります。矮性種のムラリス(G. muralis)も一年草ですが、形質が相当に異なることから、別に載せています。

【栽培メモ】

タネが細かく初期の成育がゆっくりですので、発芽から苗が小さい間は細かな注意が必要でした。本葉が3〜4枚になると後はすくすくと育ってくれました。

一般によく栽培されている‘コべントガーデンマーケット’は、草丈が高くなります。株を覆うように花が咲き、花の重さで株が倒伏しかかりましたので支柱が必要になりました。

【カスミソウの概要】

カスミソウの花

草丈

‘コべントガーデンマーケット’などの高性種になると80cmほどにはなります。

茎がよく分枝し、枝先に名前のとおり霞のように無数の小さな花をつけます。花色は白が多いですが、そのほかにピンクがあります。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 比較的強い
耐暑性 弱い

寒さや乾燥には比較的強いですが、高温多湿が苦手で、花後には枯れてしまいます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:比較的やさしい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Gypsophila elegans

学名の説明

Gypsophila・・・・・ギリシャ語の gypsos(石灰)+ phylos(好む)語源です。
※ カスミソウ属のいくつかの種類が石灰質のところに自生していたことによるものです。

elegans・・・・・「優美な」、「風雅な」

【主な種類と品種】

‘コべントガーデンマーケット'

カスミソウの中で最もポピュラーな品種です。白花で、草丈は60〜80pほどです。

‘クリムソン’

エレガンスの変種の赤花カスミソウの品種です。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 生育に応じて摘芯を繰り返して枝数を多くします。

タネまき

タネから育てる場合は、温暖地では秋まき、寒冷地では春まきにします。発芽適温が15〜20度なので、9月下旬〜10月中旬に播きます。

タネが小さいので、細かな用土を入れた育苗箱に播き、薄く覆土をします。本葉が2〜3枚のころにポリポットに植え替えて苗を育てます。初期の成育がゆっくりですので、苗が十分に育つのか心配になりますが、根付いてくれると成育のスピードが早くなります。

植え付け

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて耕しておきます。

ポットの底に根が回ってきたら花壇やプランターなどに定植します。

花壇に植える場合は、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜてから植え付けます。

春に園芸店やホームセンターなどでポット苗で売られていますので、これを買って植え付けると手軽に楽しめます。

カスミソウの花

株間

株張りがよいので30pほどにします。

植え場所・置き場所

日当たりと水はけのよいところに植え付けます。

鉢やプランターで育てる場合も日当たりと風通しのよいところに置きます。

日常の管理

鉢やプランターで育てる場合は、過湿になると立ち枯れ病が発生しやすくなります。

草丈の高くなる品種の場合、生育に応じて摘芯を繰り返して枝数を多くし、こんもりとなるように仕立てると、開花時に見栄えがします。

また、草丈の高くなる品種は、株が倒伏しないよう支柱を立ててやります。

冬の管理

耐寒性はありますが、秋に花壇に定植した場合は、霜除けをした方がよい苗に育ち、開花も早くなります。

鉢やプランターに植えつけた場合は、冬は軒下など霜の当たらないところで育てます。

肥料

多肥にする必要はありません。多肥にすると高性種は倒伏しやすくなります。花壇に植える場合は、 化成肥料を1u当たり20〜30gほど施し、腐葉土(又はバーク堆肥)と一緒に庭土とよく混ぜ合わせてから植え付けます。後は、蕾の見え始める前に化成肥料を追肥しますが、量は控えめでかまいません。

鉢やプランターに植える場合、市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、春になったら追肥として液肥を2週間に1回程度施します。

用土を調製したときは、植えつけ時に緩効性の化成肥料を与え、後は、同様に追肥します。

病気・害虫

アブラムシが付いたり、ウドンコ病が発生することがあります。

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