モモバキキョウ

モモバキキョウの花
写真 ‘タキオンブルー’
撮影時期 2017.5.21
栽培状況 秋まき後、庭植え

科名・属名

キキョウ科
ホタルブクロ属

園芸分類

宿根草

別名

モモノハギキョウ
カンパニュラ・パーシシフォリア

原産地

コーカサス・小アジア地方

用途

庭植え、鉢植え

花期

5〜6月

【モモバキキョウについて】

モモバキキョウ(桃葉桔梗)は、コーカサス・小アジア地方原産のキキョウ科ホタルブクロ属の宿根草で、キキョウとは別属です。耐暑性が弱く関東以西の温暖地では宿根することが難しく、一般には秋播き一年草もしくは春播き二年草の扱いになります。

名前の由来は、つり鐘状の花の形がキキョウに、葉がモモの葉に似ていることによります。なお、APG原色牧野植物大図鑑ではモモノハギキョウと表記されていますのでこちらの方が標準和名と思われますが、一般的にはモモバキキョウ、あるいはモモバギキョウとして流通しています。

【栽培メモ】

秋播きでは、春に開花させることは困難です。そこで、春播きにして、ポットに植えたまま涼しいところで夏を越し、秋になって植え付けたところ順調に育ってくれました。

ただし、上の写真の‘タキオンブルー’は、秋まきにして育てたところ、生育が早く翌春によく咲いてくれました。

タネから育てるのが面倒な場合は、秋に苗を買って植えれば十分に花を楽しめます。

【モモバキキョウの概要】

モモバキキョウの花

草丈

60〜100pほどになります。

花径は3pほどで、花色は淡紫青色か白色です。一重咲きが一般的ですが八重咲きもあります。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い

どちらかと言えば寒冷地向きの宿根草で、耐寒性は強いですが耐暑性はやや弱いと言えます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:(温暖地では)やや難しい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Campanula persicifolia

学名の説明

Campanula・・・・・ campana(鐘)の縮小形

persicifolia・・・・・「モモのような葉の」

【主な種類と品種】

タネは単にモモバキキョウとして売られていますが、次のような品種が出ています。

‘チャトルチャーム’

ライトブルーの覆輪花で、草丈60〜70pほどです。

‘フランシス’

淡青色の八重咲き種です。

‘タキオンブルー’

モモバキキョウの園芸交配種のようですが、秋まきでよく開花します。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 一般には、春まきの二年草として育てます。

タネまき

タネから育てる場合は、3月下旬〜4月ごろに播きます。秋まきにすると開花は翌々年になります。ただし、‘タキオンブルー’は、翌年の春に開花させることができます。

育苗箱に播き、覆土はしないか、または、タネが見え隠れするほどにわずかに覆土します。微細種子なので、底面吸水か霧吹きで用土が乾かないようにします。

発芽後、本葉が2〜3枚になったら、まずは2号(6cm)のポリポットに、そして2号ポットに根が回ったら3号ポットに植え替えて苗を育てます。

植え付け

タネを播いて育てたときは、3号ポットに根が回ったころに定植します。ただし、関東以西の温暖地の場合は、春播きにしたときは、すぐに定植せず、ボットに植えたまま、半日陰〜明るい日陰の涼しいところで夏を越し、涼しくなってから定植した方が無難です。

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて、庭土とよく混ぜておきます。

モモバキキョウの花

植え付けの際は、腐葉土若しくはバーク堆肥を1u当たり10Lと化成肥料を入れて、庭土を深さ30cmほど耕してから植えつけます。

鉢やプランターで育てる場合は、秋や春先に苗が園芸店やホームセンターなどで売られていますので、これを買って育てると簡単に花を楽しむことができます。ほとんどの場合、ポットに植わっていますので、購入したら早めに植え付けます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土もしくは赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を7対3程度に混ぜたものなどを使います。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。夏越しを考えるなら、夏の西日が当たらないところが適しています。

鉢やプランターで育てる場合は、秋から春は日当たりのよいところに置きます。

株間

20pほどにします。

日常の管理

草丈が高くなり、開花時には倒伏しやすくなりますので、必要な場合は支柱を立てます。

花後には、花茎を早めに切り取ります。また、大株になると蒸れで株が弱りますので、2〜3年に一度、秋に株分けをします。ただし、温暖地の場合は、開花した株の夏越しは容易ではありません。

冬の管理

耐寒性が強く戸外で冬を越しますので、霜除け等の必要はありません。鉢やプランターに植えている場合は、水やりは少なくしますが、鉢土が乾いたら暖かい日の午前中に軽く水やりをします。

肥料

花壇に植える場合は、植え付け時に化成肥料を1u当たり50gほど入れ、後は、株の状態を見て必要なら追肥として3月に化成肥料を株元に施します。

鉢やプランターに植える場合は、植え付け時に緩効性の化成肥料を元肥として与え、後は、秋と春に緩効性の固形肥料を置肥します。市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、元肥は不要です。

病気・害虫

ハダニやアブラムシが付くことがあります。

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