ビジョナデシコ

ビジョナデシコの花
写真 ビジョナデシコ
撮影時期 2012.5.6
栽培状況 秋まき後、庭植え

科名

ナデシコ科

属名

ナデシコ属

学名

Dianthus barbatus

園芸分類

秋まき一年草(宿根草)

別名

ヒゲナデシコ
アメリカナデシコ

原産地

ヨーロッパ南部
バルカン半島

主な用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜5月

【ビジョナデシコについて】

ビジョナデシコ(美女なでしこ)は、ピレネー山脈からカルパティア山脈に至る南ヨーロッパ及びバルカン半島を原産とするナデシコ科ナデシコ属の秋播き一年草です。本来は宿根草ですが、暑さに弱いので一般には秋まき一年草として扱われます。

ナデシコの仲間の中でも特に花が美しいことと、丈夫で生育がよく、タネを播いて育てても育苗が簡単なことから、よく栽培されています。色とりどりの花が咲きそろうと本当に見事です。

なお、ビジョナデシコの標準和名はアメリカナデシコですが、アメリカとは関係ありません。また、別名をヒゲナデシコと呼ぶのは、花と花との間の苞が細長いためヒゲのように見えるところから付けられたものですが、あまりセンスのあるネーミングとは言えません。

【栽培メモ】

秋播きで花壇に植えましたが、タネを播いて育てても栽培は至極簡単です。ただし、以前は、夏越しする株もそこそこあったように記憶していますが、最近育てたときは、温暖化のせいで大半の株が枯れてしまいました。花後に、思い切って切り戻しをしなかったことと、植えた場所の関係もあると思われます。

余談ですが、ビジョナデシコは、冬の低温に当てないと開花しない性質を持っています。ある年、タネを播く時期が遅くなり、苗が十分に育っていなかったことから、試みに農ポリでトンネルをしたところ、株はそこそこになったものの肝心の花が咲きませんでした。

【育て方は下へ ↓ 】

【ビジョナデシコの概要】

草丈

50〜60p程度になります。

花茎の頂部に花が群がるように咲きます。

白、淡桃、緋紅色、赤、濃赤、紫、青紫など多彩で、各色混合のタネをまいて育てると花壇がたいへんにぎやかになります。

ビジョナデシコの花

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い

耐暑性が弱く、温暖地では、一部は夏を越すものの多くは枯れてしまいます。耐寒性はあります。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら

栽培難易度

※ タネから育てる場合:やさしい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名の説明

Dianthus・・・・・ギリシャ神話の神 Dios(ジュピター)+ ギリシャ語の anthos(花)が語源です。 

barbatus・・・・・「ヒゲのある」、「長い軟毛のある」

【主な種類と品種】

‘ノベルナクラウン’という品種(写真:最下段)は、花色が白から赤や紫に変わる品種です。そのほか、一般には各色の混合されたタネが販売されています。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 定植後、茎が伸びてきたら摘芯して側枝を出すようにします。

タネまき

温暖地では秋、寒冷地では春に播くのが一般的です。秋まきの場合、9月下旬〜10月中旬ごろに播き、タネが隠れる程度に薄く覆土します。

発芽後、本葉が2〜3枚のころにポリポットに植え替え育苗します。苗の生育が早く、育苗はとても簡単です。

ビジョナデシコの花

植え付け

本葉が6〜7枚になってポットの底に根が回ったら、花壇やプランターなどに定植します。

花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて、庭土とよく混ぜておきます。

植え付ける際は、腐葉土もしくはバーク堆肥を1u当たり10Lほど入れ、化成肥料も撒いてから庭土を深さ30cmほど耕します。

鉢植えの用土

鉢やプランターに植える場合は、市販の草花用培養土、あるいは、赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

20〜25pとします。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。鉢やプランターで育てる場合も日当たりのよいところに置きます。

日常の管理

定植後、茎が伸びてきたら摘芯して側枝を出すようにします。そうすることで、枝数が増え、花どきには一層華やかになります。

草丈が高くなってくると倒伏しそうになる場合がありますので、必要に応じ支柱を立ててやります。

花後に思い切って切り戻しをしておくと、宿根しやすくなります。

冬の管理

耐寒性がありますので、冬は戸外で育てます。ビジョナデシコは、寒さにあわないと花芽を付けませんので、霜除けは不要です。

ビジョナデシコの花

ふやし方

本来、宿根性なので梅雨の頃挿し芽をして、夏、半日陰の涼しいところで管理すれば、翌年も花を楽しむことができます。

ただし、タネから簡単に育てることができますので、あえて、挿し芽をする必要もないかと思います。

肥料

花壇に植える場合は、植え付け時に緩効性化成肥料を1u当たり50gほど施します。追肥はほとんど必要としません。

鉢やプランターに植える場合は、植え付け時に緩効性の化成肥料を元肥として与え、後は、暖かくなったら2週間に1回程度液肥を与えます。市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、元肥は不要です。

病気・害虫

アブラムシが付くことがあります。

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