ヒナゲシ

ヒナゲシの花
写真 ヒナゲシ
撮影時期 2019.5.3
栽培状況 秋まき後、庭植え(厳冬期は不織布でトンネル)

科名・属名

ケシ科
ケシ属

園芸分類

秋まき一年草

別名

虞美人草
シャーレーポピー

原産地

ヨーロッパ中部

用途

庭植え、鉢植え

花期

5〜6月

【ヒナゲシについて】

ヒナゲシは、古くから栽培されているケシの代表的な種類で、ヨーロッパ中部原産の秋まき一年草です。別名を虞美人草といいますが、花色も多彩で、その名に負けない美しさです。

他のケシ類と同様、タネは微細ですが、発芽後の生育が比較的早いので育てやすい草花と言えます。アイスランドポピーよりは開花時期が遅くなりますが、群植した株が華やかに咲きそろったところは、えもいわれぬ美しさです。

ところで、「アマポーラ」という曲を聞いたことのある方も多いでしょうが、アマポーラは、スペイン語でヒナゲシを意味します。この曲は、美しいヒナゲシの花を愛しい人に見立てたラテンポップスの名曲です。

【栽培メモ】

ポリポットに直接播いて育てましたが、生育がよいので、発芽さえすれば育苗は簡単でした。花壇に植えた後、厳冬期だけ不織布でトンネルしましたが、株が充実してよく咲いてくれました。

なお、育苗箱に播いて、本葉が3〜4枚のころポリポットに植え替えて育てましたが、こちらも特に問題なく育ちました。もっとも、ポリポットやセルトレイに播くよりも後の手間がかかります。

【ヒナゲシの概要】

ヒナゲシの花

草丈

50〜80pほどに育ちます。

花は、薄紙のような繊細な花で、花径は5〜8pほどです。一重咲きと八重咲きがあり、花色は白、紅紫、橙色、淡紅色、紫色などです。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 比較的強い
耐暑性 弱い

耐寒性は比較的強く、温暖地では霜除けの必要がない暖冬の年もありますが、簡単な霜よけをしたほうが安心です。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:比較的やさしい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Papaver rhoeas

学名の説明

Papaver・・・・・papa(おかゆ)に由来する古名から。
※ ケシ属の乳汁に催眠作用があるため、乳汁を粥に混ぜて子供を寝かしたことに由来すると言われています。

rhoeas・・・・・「バラ色の」

【主な種類と品種】

タネは、単にヒナゲシあるいは虞美人草として売られており、品種名はついてないようです。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 厳冬期に、不織布で軽く霜除けをした方が苗がよく育ちます。

タネまき

高温では発芽しにくいので、涼しくなった9月末から10月中旬ごろがタネまきの適期です。ポリポットやセルトレイに播くのが一般的かもしれませんが、育苗箱に播いても差し支えありません。

タネを播く際、タネが非常に小さいので厚播きにならないよう注意します。

ヒナゲシの花

ヒナゲシは好光性種子ですので覆土はしません。播いた後は新聞紙を掛けて用土の乾燥を防ぐようにします。

セルトレイやポリポットに播いた場合は、霧吹きで水やりをして用土が乾燥しないようにし、発芽後は徐々に間引いて丈夫な苗を1本残します。

育苗箱に播いた場合も用土が乾燥しないように管理し、発芽後、本葉が2〜3枚のころに根をいためないようにポリポットに植え替えます。遅くならないうちに替えをすれば、植え傷みはほとんどありません。

いずれの場合も、微細種子ですので発芽後の生育はゆっくりですが、次第に生育が早くなってきます。

植え付け

植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて、耕しておきます。

ポリポットに根が回ったら花壇やプランターなどに定植します。

定植の際、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜてから植えつけます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土、あるいは、赤玉土と腐葉土(バーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

花壇に植える場合は25〜30p間隔で定植します。60cmのプランターの場合は、3株ほど植え付けます。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。

鉢やプランターに植えた場合も、日当たりのよいところに置いて育てます。

日常の管理

生育すると倒れやすくなりますので、その場合は、支柱をしてやります。

冬の管理

ヒナゲシの花

耐寒性はありますが、特に寒い日は、不織布を掛けるなど霜除けをした方が安心です。また、その方が、春までに充実した株になって開花が早まり、よく咲いてくれます。

肥料

花壇に植える場合は、肥料が効きすぎると徒長気味になって倒れやすくなりますので、量は少なめにします。追肥は必要ありません。

鉢やプランターに植える場合、市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、成育期間中は、液肥を2週間に1回程度施します。用土を調整したときは、植えつけ時に緩効性の化成肥料を与え、後は、同様に液肥を与えます。

病気・害虫

アブラムシが付くことがあります。

また、土壌の関係かもわかりませんが、立ち枯れ病が発生することがあります。

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