ディアスキア

ディアスキアの花
写真 ‘コーラルローズ'
撮影時期 2018.4.3
栽培状況 秋播き後、鉢植え(冬はビニールハウスで栽培)

科名・属名

ゴマノハグサ科
ディアスキア属

園芸分類

一年草、宿根草

別名

ディアスシア
ニカクソウ

原産地

南アフリカ

用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜5月

【ディアスキアについて】

ディアスキアはアフリカ南部原産で、この属の中では、クワ・ズール=ナタール州の夏の降雨地域にはインテゲリッマ(D. integerrima)やフェトカニエンシス(D. fetcaniensis)などの宿根草が多く、西ケープ州とナマクアランド州の冬の降雨地域には、主に一年生が多く見られるようです。

現在、出回っている品種のディアスキアの学名をみると バルベラエ(D. barberae )となっていて、これは一年草かと思っていましたが、ミズーリ植物園のページを見ると本種も宿根草のようです。

もっとも、最近流通している品種の多くは、ディアスキア属の種間交配種が多くなってきています。上の写真のコーラルローズ( 'Diamonte Coral Rose' )もハイブリッドです。

最近流通しているディアスキアについていえば、耐暑性はやや弱く、栽培環境がよければ夏を越して宿根草にもなりますし、一日中、日の当たるようなところに植えると、関東以西の温暖地では、夏越しはなかなか厳しいと言えます。

【栽培メモ】

極端な暑さ、寒さを嫌います。春先に苗を購入した株を花壇に植えていたら、花が咲き終わった後、夏が来る前に枯れてしまいました。温暖地で花壇に植えた場合は、一年草と割り切った方がよいと思われます。

その後、上の写真の 'コーラルコーズ'を秋にタネを播いて無加温のビニールハウスで苗を育て、プランターに植えて育てたところ、3月になると花が咲き始めました。その後、夏場、半日陰の涼しいところに置いてあったところ、半分程度の株が夏を越して秋に咲き出しましたので、大切に育てれば夏越しも可能と考えられます。

【ディアスキアの概要】

ディアスキアの花

草丈

20〜40pほどです。

花径2〜3pほどの花で、花色は赤、ピンク、白などがあります。今のところ、ピンク〜濃桃系の花をよく見かけます。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 比較的強い
耐暑性 やや弱い

比較的耐寒性がありますが強い霜に当たると傷みます。また、夏の暑さと強い日差しが苦手です。

夏は半日陰の涼しいところで管理すれば、温暖地でも夏を越せるものもあります。

ただし、品種にもよるのかもしれませんが、株が大きくなると枯れることが多くなります。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:やや難しい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Diascia barberae

学名の説明

Diascia・・・・・ギリシャ語の dis(二つ)+ askos(袋)が語源です。
※ 花冠の半透明の黄色の嚢に由来します。

barberae・・・・・19世紀のイギリスの植物学者 Mary Elizabeth Barber への献名

【主な種類と品種】

‘ピンククィーン'

バルベラエ種で、草丈25pほどのピンクの花で、タネが出ています。

‘レッドエース'

ディアスキアの種間交配種で、朱色の花が咲きます。

‘ルビーフィールド'
'Ruby Field'

バルベラエ種で、 ピンクの花です。

'コーラルローズ'
'Diamonte Coral Rose'

ディアスキアの種間交配種で、タネが販売されています。

'デイドリーム'
'Daydream'

フェトカニエンシスの園芸種です。

ジュリエット シリーズ

バルペラエ種で、草丈が15〜20pほどのコンパクトな品種です。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 花が終わったら、花茎を切り取ります。また、梅雨前に10cmほど残して切り戻しをします。

タネまき

秋にタネを播いて育てる場合、初期の苗の生育がゆっくりですのでフレームや簡易温室がないと育苗は簡単ではありません。そうした設備がなければ春に苗を買って育てた方が早道です。

発芽温度が20度ほどですので、温暖地では9月中旬〜10月上旬ごろに播きます。寒地は春播きとします。

育苗箱に清潔な用土を入れて播くか、ピートバンに播きます。覆土は2mm程度にします。

ディアスキアの花

初期の苗の生育がゆっくりですので、本葉が3〜4枚のころに、まずは2号(6cm)ポットに植え替え、2号ポットの底に根が回ったら3号(9cm)ポットに植え替えて苗を育てます。

植え付け

秋にタネを播いて育てた場合は、3号ポットに根が回ったら鉢やプランターに定植します。外がまだ寒いときは、暖かくなるまでは鉢やプランターをフレームなどに置いて育てます。

花壇に植えるときは、春まで待って植え付けます。植え付けの際は、腐葉土若しくはバーク堆肥を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜ合わせてから植えつけます。

春先に園芸店やホームセンターなどに苗が出てきますので、これを購入して植えつけると簡単に育てられます。種苗会社のカタログにもよく載っています。

鉢植えの用土

鉢やプランターに植える場合は。市販の草花培養土あるいは、赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

20〜30pほどにします。

植え場所・置き場所

日当たりのよいところを好みますが、花壇に植える場合は、夏の強光線を避けられるところが最適です。比較的耐陰性があり、半日陰のところでもよく咲いてくれます。

鉢やプランターで育てる場合は、秋から春の間は、日当たりのよいところに置きます。

日常の管理

花が終わったら、花茎を切り取ります。また、梅雨前に10cmほど残して切り戻しをします。

適切に管理すれば新しい芽が出て秋に再び花が咲きますので、長く楽しむことができます。ただし、温暖地の場合は、開花した株の夏越しは厳しいと言えます。

夏を越すことができれば、9月下旬〜10月上旬に植え替えをします。

夏の管理

夏の高温多湿と強光から株を守るため、鉢やプランターは半日陰〜明るい日陰の涼しいところに移します。

冬の管理

十分に根を張っていないと軽い霜でも傷みますので、年内に花壇に植えつけたときは霜除けをします。

ディアスキアの花

プランターなどに植えた株は、霜に当てないようにします。

また、秋にタネを播いて苗を育てる場合は、初期の生育がゆっくりで、冬が来るまでに定植できる苗に育てるのが難しいので、フレームやビニールハウスに入れて苗を育てます。そうした設備がないと、タネから育てることは難しいと言えます。

肥料

花壇に植えつけるときは、化成肥料を1u当たり50gほど施し、腐葉土(又はバーク堆肥)と一緒に庭土とよく混ぜて植えつけます。

また、花期が長いので、生育期間中は、株の様子を見ながら定期的に追肥します。

鉢やプランターに植える場合、市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、植えつけ後、1月ほどしたら冬場と夏場を除き、定期的に緩効性の固形肥料を追肥するか、又は液肥を2週間に1回程度追肥します。

調製した用土に植える場合は、植え付け時に緩効性の化成肥料を元肥として与え、後は、同様に追肥します。

病気・害虫

ハダニがつくことがあります。

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