シダルセア

シダルセアの花
写真 ‘パープレッタ’
撮影時期 2017.6.17
栽培状況 春まき後、庭植え

科名

アオイ科

属名

キンゴジカモドキ属

学名

Sidalcea malviflora

園芸分類

宿根草、春まき二年草

別名

ミニホリホック

原産地

北アメリカ西部

主な用途

庭植え

花期

6〜7月

【シダルセアについて】

シダルセアは、北アメリカ原産のアオイ科キンゴジカモドキ属(シダルセア属)の宿根草です。ただし、夏の高温多湿が苦手ですので、温暖地では春まき二年草になります。アオイ科の仲間は大きな花が咲くものが多いですが、シダルセアは比較的小さな花が咲きます。

品種にもよりますが、温暖地でも春にタネを播いて苗を育て、秋に苗を定植すれば、翌年には、写真のように十分花を楽しむことができます。また、秋に苗を購入して植え付けても、同様に花を楽しむことができます。

ただし、アオイ科の植物は耐暑性の強いものが多いですが、このシダルセアは耐暑性が弱いので、関東以西の温暖地では、花が咲いた後は枯れてしまい、宿根することは難しいと言えます。

【栽培メモ】

タネから育てる場合、秋まきでは春までに充実した株にするのが難しく、満足できる結果が得られませんでした。そこで、国華園から出ていた‘パープレッタ’という品種を春まきにして、苗を3号から4号のポリポットに植え替えて、ポットに植えたまま、夏場、明るい日陰の涼しいところで夏を越させました。

そして、秋になって定植したところ、翌年の初夏にたいへんよく咲いてくれました。もっとも、開花した後の株は枯れてしまいましたので、宿根させることはできませんでした。

【育て方は下へ ↓ 】

【シダルセアの概要】

草丈

草丈は60〜100pほどで、 タチアオイを小型にしたような草姿です。

タチアオイと違って分枝性があるので株立ち状になります。

花径4pほどの5弁花が穂状に咲きます。

花色は、淡桃色、濃桃色、赤などがあります。

シダルセアの花

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い

やや冷涼な気候を好み、耐暑性は強くありません。日当たりのよいところに植えてあったところ、開花後は、比較的早く地上部が枯れてしまいました。

寒地では宿根草になりますが、夏の高温多湿に弱く、温暖地では、開花後は夏を越すことが難しいと言えます。耐寒性は強く、庭植えで冬を越します。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら

栽培難易度

タネから育てる場合:やや難しい

苗から育てる場合:比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名の説明

Sidalcea・・・・・マロウを意味する二つの属名の組み合わせとされています。
※ おそらく、Sida(キンゴジカ属) とAlcea(ゼニアオイ属) と思われます。

malviflora・・・・・「ゼニアオイ属の花の」

【主な種類と品種】

'キャンディーガール'

ピンクの品種で、草丈は60pほどです。

'エルシーヒュー'

明るいピンクの花です。

'ブリリアント'

赤花です。

'パープレッタ'

花径3cmほどの赤紫の花色で、草丈は1mほどです。秋まきにして、冬は霜除けすれば温暖地でも花が楽しめます。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 温暖地の場合は、春まきにした方がよい結果が得られます。

タネまき

タネも販売されていますので、タネから育てることができます。時期は、春まきでは4〜5月、秋まきの場合は9月中旬〜10月上旬が適期です。温暖地では、春まきにして翌年の初夏に開花させる二年草として育てるとよい結果が得られます。

ポットに直接播いてもかまいませんし、育苗箱に播いて育てても植え傷みはほとんどありません。覆土は、タネが隠れる程度に薄くします。

育苗箱に播いた場合は、発芽後、本葉3〜4枚のころに3号ポットに植え替えて育苗します。発芽までに8〜10週間かかることがありますので、用土が乾かないよう注意します。

植え付け

温暖地で、花壇で育てる場合は、春まきにした場合、3号ポットにの底に根が回ってきたら、一回り大きめの4号ポットに植え替えて、涼しいところで夏を越させ、秋に定植したほうがよい結果が得られます。

苗がそこそこ大きくなっても、すぐに花壇に植え付けると、十分に育たないうちに梅雨、そして夏の高温多湿に見舞われ、満足な結果が得られません。

花壇に植え付ける際は、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜておきます。

温暖地以外や温暖地でも鉢やプランターで育てる場合は、ポットに根が回ってきたら定植します。

シダルセアの花

鉢植えの用土

市販の草花用培養土、あるいは、赤玉土と腐葉土(バーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

2株以上植えるときは、 30pほどの間隔をとります。60pの標準のプランターに植える場合は2〜3株を目安にします。

植え場所・置き場所

秋に花壇に植える場合は、二年草の扱いになりますので、日当たりと水はけのよいところに植えつけます。

鉢やプランターで育てる場合は、植え付け後、夏が近づいてきたら半日陰に移し、真夏は明るい日陰に置くようにします。秋になって涼しくなってきたら、だんだん日当たりのよいところに置くようにします。

夏の管理

夏の高温多湿に弱いので、温暖地の場合は、春にタネをまいて育てた株は、ポットに植えたままで半日陰もしくは明るい日陰の涼しいところに置いて夏を越すようにします。

ふやし方

宿根をすれば2〜3年たつと、株に勢いがなくなるので、株分けして植え直します。ただし、温暖地では開花後は夏に枯れてしまうので、株分けするところまでいきません。

冬の管理

耐寒性が強いので、霜除けなどの必要はありません。ただし、鉢やプランターに植えている場合は、霜の当たらない軒下などに移し、水やりは少なくしますが、鉢土が乾いたら晴れた日の午前中に水やりをします。

また、温暖地の場合、秋に花壇に定植したときは、不織布でトンネルをするなどして霜除けをして成育を助ると充実した株になり、開花が確実なものになります。

肥料

花壇に植える場合は、植え付け時に化成肥料を1u当たり30〜50gほど入れ、後は株の状態を見て、必要なら追肥として3〜5月の間に化成肥料を株元に施します。

鉢やプランターに植える場合は、植え付け時に緩効性の化成肥料を元肥として与え、後は、秋と春に2週間に1回程度液肥を与えます。市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、元肥は不要です。

病気・害虫

ハマキムシやシンクイムシがつきやすいので防除します。

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