コリウス

コリウス
写真 ‘ハイウェイ' ミックス
撮影時期 2017.9.28
栽培状況 春まき後、庭植え

科名・属名

シソ科
サヤバナ属

園芸分類

春まき一年草

別名

キンランジソ
ニシキジソ

原産地

熱帯、亜熱帯アジア

用途

庭植え、鉢植え

花期

6〜10月
(鑑賞時期)

【コリウスについて】

コリウスは、マレーシアなど東南アジア原産のシソ科サヤバナ属の春まき一年草で、明治中期に日本に入ってきたと言われています。本来は宿根草ですが、耐寒性がないので春まき一年草として扱われます。なお、コリウス属(Coleus scutellarioides)と表記される場合もあります。

葉の色は勿論のこと、葉の形や大きさなど変化に富んでいて、カラフルに色づく葉を楽しむ植物です。タネから育てる実生系の品種と栄養系の品種がありますが、栄養系の品種が大きく育ちます。

なお、少し涼しくなってくると穂状の花が咲くようになります。一般には、それほどの魅力はありませんが、下の写真の‘レインボーミックス’は花穂が大きく魅力があります。

葉の色は本当に様々で、好みの色を選ぶことができますし、葉色がミックスされたタネをまくと多彩な色合いが楽しめます。

【栽培メモ】

タネから育てると、発芽後の成育がゆっくりなので比較的手間がかかります。もっとも、コリウスは、丈夫ですので、辛抱強く苗の生育を待っていると次第に生育のスピードが上がってきます。

そして、見頃になるのは夏が過ぎて涼しくなってくるころです。この頃になると株も大きくなってきますので、花穂を取りながら育てると長く楽しめます。

【コリウスの概要】

コリウス
‘ハイウェイ’ミックス(2017.9.28)

草丈

20〜60pほどです。

花は咲きますが、それほど美しいものではありません。

葉の色は赤、桃、黄色、緑などがいろいろと組み合わされて、美しい色彩をつくり出します。葉の形も様々で、変化に富んでいます。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 弱い
耐暑性 強い

耐寒性が弱いので一年草扱いされますが、本来は宿根草です。

霜が来る前に、鉢植えのコリウスを室内に取り込んで管理すれば、次の年も楽しむことができます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:やや難しい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Plectranthus scutellarioides(= Coleus scutellarioides)

学名の説明

Coleus・・・・・ギリシャ語の coleos(鞘)が語源です。

Plectranthus・・・・・ギリシャ語の plectron(距)+ anthos(花)が語源です。

Solenostemon・・・・・筒状の(管状の)おしべという意味です。

scutellarioides・・・・・「タツナミソウ属に似た」

【主な種類と品種】

以下は、実生系の品種です。

‘ハイウェイ' ミックス

草丈15〜20pほどで、鉢植えなどで楽しむのに適したコンパクトな各色の混合です。

‘ゴリラ' ミックス

大葉の品種で、葉色を混合したタネが販売されています。少し小葉の‘ゴリラ Jr.'も出ています。

‘ウイザード' 混合

コンパクトな各色の混合です。

‘ケアフリー' 混合

葉に切れ込みのある各色の混合です。

‘レインボー' 混合

カラフルな葉色が魅力の品種です。この品種は花穂も人気があります。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ タネから育てる場合、好光性種子のため覆土はしません。

タネまき

発芽気温が高いので、タネまきは4月中旬〜5月に行います。育苗箱やピートバンに播きますが、好光性種子のため覆土はせず、底面吸水をします。

コリウス
‘チョコレートチェリー’(2017.9.15)

発芽後、苗がつまめるほどの大きさになったら、まずは2号のポリポットに植え替えます。発芽後の初期の生育が非常にゆっくりですので、焦らないことが肝要です。

2号ポットに根が回ってきたら3号ポットに植え替えて、薄い液肥を与えながら苗を育てます。

植え付け

タネから育てた株は、3号ポットに根が回ったら花壇やプランターなどに植え付けます。

花壇に植える場合は、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜてから植え付けます。

タネを5月頃に播くと、発芽後の苗の生育がゆっくりですので、定植できる大きさに育つのが7月の暑い時期になります。

このため、花壇に植えると強い日差しにさらされることから、日当たりのよい場所に植えた場合は、植え付け直後は、遮光ネットなどで夏の強光から苗を守ってやります。しっかりと根付いたら、夏の日差しにも耐えられるようになります。

また、暑い時期に定植したときは、花壇でも土が乾きやすいので、活着するまで十分に水やりをします。

タネから育てるのが面倒な人は、春になると園芸店などにいろいろな色合いの苗が出回りますので、これを買って植え付けると簡単に楽しめます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土もしくは赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

20〜30p程度にします。

植え場所・置き場所

タネから育てた苗を花壇に植えるときは、夏の西日が長く当たらないような場所に植え付けます。栄養系の品種は、日当たりがよくても差し支えありません。

鉢やプランターに植えた場合も、真夏以外は日当たりのよいところに置きます。日当たりが悪いと本来の美しい色が出ませんので注意します。

日常の管理

株が大きくなってくると花穂が出始めますが、花は観賞価値がありません。これをそのままにしておくと、養分を花の方に取られて株が大きくなりませんので、必ず摘み取るようにします。

花穂を摘み取ることによって、側枝が出てきて充実した株になります。

夏の管理

実生苗は夏の強光を嫌いますので、鉢やプランターは半日陰に置きます。

夏は乾燥しやすくなりますので、鉢やプランターの水やりを怠らないようにします。花壇に植えている場合でも、晴天が続いて庭土が乾いてきたら十分に水やりをします。

ふやし方

挿し木が可能で、バーミキュライトなどに挿せば比較的容易に発根します。

肥料

コリウス
‘レインボー’ミックス(2023.9.3)

あまり多肥にする必要はありません。花壇に植える場合は、 化成肥料を1u当たり20〜30gほど施し、堆肥と一緒に庭土とよく混ぜ合わせてから植え付けます。

後は、成育期間中に月に1回程度化成肥料を追肥しますが、量は控えめにします。

鉢やプランターに植える場合、市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、1月ほどしたら追肥として液肥を2週間に1回程度施します。

用土を調製したときは、植え付け時に緩効性の化成肥料を用土に混ぜて植え付け、後は、同様に追肥します。

病気・害虫

アオムシやヨトウムシに葉を食べられることがありますし、オンシツコナジラミも発生しますので、植えつけ時にオルトラン粒剤を株元に撒いておくと安心です。

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