カーネーション

カーネーション‘カンカンスカーレット’の花
写真 'カンカンスカーレット'
撮影時期 2008.6.8
栽培状況 秋まき後、庭植え(冬は農ポリでトンネルして霜除け)

科名

ナデシコ科

属名

ナデシコ属

学名

Dianthus caryophyllus

園芸分類

秋まき一年草
多年草

別名

オランダセキチク

原産地

南ヨーロッパ

主な用途

庭植え、鉢植え

花期

5〜6月

【カーネーションについて】

カーネーションは南ヨーロッパ原産とされていますが、原種(Dianthus caryophyllus)は既に失われてしまったのか、今は見ることができないと言われています。現在栽培されている品種は、いろいろな種が複雑に交配された園芸交雑種です。

栽培されているカーネーションを大きく分けると、タネから育てる一、二年草と挿し芽で育てる栄養系の品種に分けられます。また、切り花用の高性種と鉢植えで育てる矮性種に分けることもできます。

母の日にカーネーションを送る慣わしが、日本でもすっかり定着したようで、母の日が近づくと園芸店やホームセンターなどにたくさんの鉢物がたくさん並んで壮観です。

【栽培メモ】

カーネーションは、タイプがいろいろに分かれていますが、写真の'カンカンスカーレット'という品種のタネが「サカタのタネ」から出ていましたので播いてみました。

庭植えで、冬は農ポリでトンネルをして育てたところ、5月から6月にかけてよく咲いてくれました。この品種のよいところは、なにより茎が強くて花壇に植えても倒伏の恐れがほとんどない点にあります。一部は宿根草になりました。

‘ラ・フランス’などの品種も、タネを播いて比較的簡単に育てることできました。

【育て方は下へ ↓ 】

【カーネーションの概要】

草丈

切り花用は、50p〜1mになりますが、矮性種は20〜30p くらいです。

栽培されているカーネーションは、花びらがフリルのように波打つ重弁のものがほとんどで、花色は、白、桃、赤など多彩です。

花径は4〜5pほどのものが多く栽培されています。

カーネーションの花

耐寒性・耐暑性

耐寒性 やや弱い
耐暑性 やや弱い

寒さが苦手で寒風や霜に当たると傷みます。また、一般に冷涼な気候を好み、夏の高温多湿を嫌います。

もっとも、品種にもよるかとは思いますが、鉢やプランターで育てていれば、関東以西の温暖地でも夏越しはそれほど難しいことではありません。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら

栽培難易度

※ タネから育てる場合:比較的やさしい

※ 苗から育てる場合:比較的やさしい

※ 翌年も育てようとする場合:やや難しい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名の説明

Dianthus・・・・・神話の神 Dios(ジュピター)+ ギリシャ語の anthos(花)が語源です。

caryophyllus・・・・・ギリシャ語の karya(クルミ)+ phyllon(葉)が語源です。

【主な種類と品種】

現在つくられている品種は、いろいろと複雑に交配、改良されたもので、多くのタイプと品種がありますが、タネから育てる実生系と栄養系に分かれます。

実生系で、タネが販売されているのは、‘カンカンスカーレット’や下から2枚目の写真の'ラ・フランス'などです。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 鉢やプランターで育てている場合は、花後に切り戻しをして植え替えます。

※ 夏は半日陰になるところに置き、過湿にならないようにします。

タネまき

タネから育てる品種は、9月中旬〜10月上旬に播きます。箱まきとし、タネが隠れる程度に覆土します。

本葉が2〜3枚のころに、ポリポットに植え替えて育苗します。ナデシコ属ですので、育苗は難しくありません。

植え付け

ポットに根が回ってきたら花壇やプランターなどに定植します。寒い地方は、秋に定植せず、ポットに植えたままフレームなどで冬を越し、春に定植する方法もあります。

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて、庭土とよく混ぜておきます。植え付けの際は、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lと化成肥料を入れて、庭土を深さ30cmほど耕してから植えつけます。

母の日が近くなると鉢物がたくさん売られていますので、これを買って育てることもできます。鉢が小さくて根詰まり気味のときは、あまり根鉢を崩さないようにして5号鉢か6号鉢に植え替えます。

‘ラ・フランス’の花

‘ラ・フランス’(2012.6.13)

鉢植えの用土

市販の草花用培養土であれば、これに1〜2割ほどハーライトもしくは軽石砂を加えて使います。そのほか、赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を7対3程度に混ぜたものが適しています。

株間

花壇に植える場合は、20〜25p程度とします。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところを選びますが、夏越しを考えるなら夏の西日が当たらないところが適しています。午後、長く日が当たるところに植えると、温暖地の場合は、開花後に枯れてしまうことが多くなります。

鉢やプランターに植えている場合は、春と秋は、日当たりと風通しのよい場所に置きます。また、長雨や梅雨のときは雨の当たらないところに移します。

植え替え

鉢やプランターで育てている場合は、花後に切り戻しをして植え替えます。

贈り物でもらった株も、購入したときに植え替えなかったときは、花がひととおり終わったら切り戻しをして、5号鉢若しくは6号鉢に植え替えます。

植え替えをしないと、根詰まりをして後の成育が極端に悪くなります。植え替えが終わった株は、半日陰の涼しいところに置きます。

日常の管理

苗を植えつけた場合は、摘芯して株立ちを多くします。背の高くなる品種は生育につれて倒れやすくなりますので、支柱を立ててやります。

鉢植えの場合、過湿を嫌うので、鉢土が乾いてから水やりをします。四季咲き性のものは花が咲き終わったら半分ぐらいに切り戻しをして、肥料をやって涼しいところで管理すると、再び花が咲きます。

花ガラは早めに取り除きます。そのままにしておくと茶色に変色して見苦しくなります。

夏の管理

高温多湿を嫌いますので、夏が来たら鉢植えは半日陰になるところに置き、過湿にならないようにします。

カーネーションの花

冬の管理

秋に定植した株は、霜が当たると傷みますので、不織布でトンネルをするなどして霜除けをします。

鉢で育てている場合は、室内の日当たりのよいところで育てますが、水やりは控えめにします。

ふやし方

わき芽を利用して、挿し芽で増やすことができます。4〜6月と9〜10月頃に、よく充実したわき芽をバーミキュライトなどに挿します。

肥料

カーネーションは肥料を好みますので、花壇に植える場合は、植えつけ時に緩効性の化成肥料1u当たり50gほど施し、後は4月と5月の初めに追肥として化成肥料を与えます。

鉢やプランターに植える場合は、元肥に加え、追肥として、水やりを兼ねて10日に1回程度液肥を与えると生育がよくなります。

病気・害虫

葉に斑点や縞模様が出るウイルス病が出ることがありますが、防除する方法はなく被害の出た株は早めに捨てるようにします。

その他、アブラムシが付くことがあります。

ページのトップに戻ります。このページのトップへ
一覧へ戻ります。一覧に戻ります。