カラー(畑地性)

カラーの花
写真 カラー
撮影時期 2008.6.8
栽培状況 プランターに植え付け

科名・属名

サトイモ科
オランダカイウ属

園芸分類

春植え球根

別名

オランダカイウ
カラーリリー

原産地

南アフリカ

用途

庭植え、鉢植え

花期

6〜7月

【カラーについて】

カラーは、南アフリカ原産のサトイモ科の春植え球根です。湿地性のエチオピカ系の白花が川縁に咲いているのを見かけますが、畑地性のカラーもよく栽培されています。

畑地性の品種は、仏炎苞がカラフルで、湿地性のカラーにはない魅力があります。ここでは畑地性のカラーを取り上げていますが、湿地性のカラーはそちらをご覧ください。

畑地性のカラーは、夏の高温多湿が苦手で、暑い夏が来るまでに花(苞)を楽しむことが肝要で、それには、早めに植え付けて暖かいところで栽培を始めることがポイントになります。

ところで、属名にもある「カイウ」というのは、広辞苑にも載っていない耳慣れない言葉ですが、「海芋」と書きます。これは、海の芋ではなくて、「海外から来た芋」がその意味のようです。

【栽培メモ】

一般的な春植え球根よりも植え付け時期が早いですが、うっかりして植え付けが遅れることが往々にあり、そのときは、満足できる結果が得られませんでした。適期に植え付けることが肝要です。

【カラーの概要】

カラーの花

草丈

一般には50〜60cmほどですが、高性種は1m近くになります。

また、矮性種は20〜30pほどです。

花のように見えるのは、苞の変形したものです。

花色は、白、淡黄、鮮黄、ピンク等いろいろな色がそろっています。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 弱い
耐暑性 やや弱い

畑地性の品種はやや高温多湿に弱く、耐寒性もありません。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Zantedeschia spp.

学名の説明

Zantedeschia・・・・・19世紀のイタリアの植物学者 Zantedeschi への献名

elliottiana・・・・・19世紀のアメリカの植物学者 Stephen Elliott への献名

rehmannii・・・・・ロシアの J.Rehmann への献名

albomaculata・・・・・ albo(白い)+ maculata(斑点のある、しみのある)

【主な種類と品種】

エリオティアナ種(キバナカイウ)
Z. elliottiana

ゴールデンカラーといわれる黄色の花を咲かせます。排水のよい畑地を好みます。

レーマニー種(モモイロカイウ)
Z. rehmannii

草丈20〜30pほどの矮性で、ピンクの他にいろいろな品種があります。

アルバマクラタ種(シラホシカイウ)
Z. albomaculata

草丈は60cmほどで、葉に白い斑点があります。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

畑地性のカラーの栽培について記載しています。湿地性のカラーの栽培については、そちらをご覧ください。

栽培のポイント

※ 植え付け時期が遅れないようにします。

※ 花壇に植える場合は、高畝にするなど水はけをよくしておきます。

植え付け

畑地性カラーは、鉢やプランターに植えて育てる方が管理がしやすいと言えます。花壇に植えると、どうしても多湿になり、カラーの大敵である軟腐病が発生しやすくなります。

カラーの花

鉢やプランターに植えつける適期は、3月中旬ごろで、植え付け後は暖かいところにおいて栽培を始めます。

湿った用土に球根を植え付けますが、乾燥した状態で保管された球根を植え付けたときは、10日ほどしてから徐々に水やりをします。一気に水やりをすると球根が腐ってしまうことがあります。

花壇に植える場合は、高畝にするなど水はけをよくしておきます。水はけが悪いと、高温多湿で球根が腐りやすくなります。

花壇に植えるときは、深さ30cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土の3割程度の腐葉土(又はバーク堆肥)を入れ、庭土とよく混ぜ合わせて植えつけます。植え付け後は、マルチをするなどして地温を高めるようにします。

鉢植えの用土

水はけのよい用土が適しています。

鹿沼土、赤玉土、腐葉土(又はバーク堆肥)を4:3:3の割合に混ぜた用土を使っていますが、特に問題なく育っています。

植え付けの深さ

花壇に植える場合は10cmほどにします。鉢やプランターに植える場合は、浅植えは避け、球根の上に4〜5cmほど土が被る程度にします。

球根の上下がわかりにくく間違える方もいますが、つるつるした方を下に、でこぼこした方を上にします。

株間

庭植えの場合は、15〜20pほどの間隔とします。

鉢植えの場合は、小型種は4〜5号鉢、大型種は5〜6号鉢に植えつけます。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植えつけますが、高温多湿に弱いので、夏は半日陰になる場所が適しています。

鉢やプランターも日当たりのよいところに置きますが、梅雨時になったら雨の当たらないところに移します。また、

植え替え

畑地性カラーは耐寒性がやや弱いので、庭植えにした場合は、毎年掘り上げて3月ごろに植え替えます。軟腐病を避けるため、毎年、場所を変えるようにします。

鉢やプランターに植えている場合も、毎年、新しい用土で植え替えるようにします。

日常の管理

鉢やプランターで育てている場合は、開花するまでは乾燥させないようにしますが、開花後は、やや乾燥気味にします。

花が終わったら、早めに花茎の付け根から切り取っておきます。

カラーの花

夏の管理

夏も日が当たる庭に植えている場合は、寒冷紗などで遮光します。鉢やプランターに植えている株は、夏場は、午前中少し日の当たるところや明るい日陰で育てます。

休眠期の管理

花壇に植えている場合は、霜の降りる前に掘り上げて凍らない場所で保管します。

鉢やプランターに植えている場合は、掘り上げてもかまいませんし、植えっぱなしのまま、雨の当たらない暖かいところで春まで保管してもかまいません。

ふやし方

植え替えの時に、分球して増やすことができます。

肥料

花壇に植えている場合は、特に肥料は必要ありません。

鉢やプランターで育てる場合は、芽が出たときと、花後に緩効性の固形肥料を少量与えます。

病気・害虫

高温多湿になると軟腐病が発生することがあります。

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