エニシダ

エニシダの花
写真 ‘ボスコープルビー’
撮影時期 2013.5.9
栽培状況 庭植え

科名・属名

マメ科
エニシダ属

園芸分類

常緑又は半常緑中低木

別名

金雀枝

原産地

ヨーロッパ地中海沿岸地域

用途

庭植え

花期

4月〜5月

【エニシダについて】

エニシダは、ヨーロッパの地中海沿岸地域などが原産のマメ科エニシダ属の常緑中低木です。長く伸びた枝にマメ科特有の蝶型の小さな花がびっしりと咲き、大変美しいものです。以前は黄色の花をよく見かけたものですが、複色花の美しい花もたくさん見かけるようになりました。

エニシダ属にはいろいろ種類があるようですが、国内でエニシダとして流通しているのは本種のスコパリウス (C. scoparius) です。他には、ヒメエニシダ(C. racemosus)が栽培されています。

なお、エニシダという名前は、古い学名のゲニスタ(Genista)に由来しています。

【栽培メモ】

育てやすい花木ですが、問題なく生育していた株が突然枯れてしまったことがあり、写真の‘ボスコープルビー’も、とてもよく咲いていましたが、10年も経たずに枯れてしまいました。

これは、エニシダが日本の梅雨や夏の高温多湿を嫌うことによるもので、一般的な花木と比較して木の寿命は、それほど長くないと思われます。

【エニシダの概要】

エニシダの花

樹高

木は、ほうき立ちになります。剪定をすれば2m程度に収まりますので、庭に植えてもあまり場所をとりません。

また、背丈が低い矮性のヒメエニシダも見かけます。

黄色の花をよく見かけますが、カラフルな複色花などがあります。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 強い

耐寒性は強いですが、寒い地方では落葉します。原産地が地中海沿岸の乾燥したところですので、日本の梅雨や夏の高温多湿がやや苦手のようです。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Cytisus scoparius

学名の説明

Cytisus・・・・・ウマゴヤシ(地中海地方原産のマメ科の越年草)のギリシャ名の転用

scoparius・・・・・「ほうき状の」、「ハケ状の」

【主な種類と品種】

エニシダ(在来種)

黄色の花で、花付きがよく、株全体が花で覆われます。(写真:最下段)

ほおべに

黄色に赤色の入る複色花です。

ほほえみ

黄色と白の複色花です。

ボスコープルビー

濃い赤色の花がたくさん咲いて、美しい品種です。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 日当たり、風通しのよいところに植えます。

※ 剪定を行うときは、花後、あまり間をおかずに行います。

植え付け

植え付けは、9月〜10月が適期ですが、春でもかまいません。比較的木が大きくなりますので鉢植えには不向きかと思います。鉢植えで育てたいならヒメエニシダが適しています。

エニシダの花

木が大きくなると移植が難しいので、植える場所の選定には注意します。

エニシダは酸性土壌を嫌いますので、そのような土壌の場合は、植え付け前に苦土石灰を庭土にまぜておきます。

通常は根鉢の2〜3倍の植え穴を掘って、掘り出した庭土に3割程度の腐葉土(又はバーク堆肥)を入れて庭土とよく混ぜ合わせて植えつけます。

この際、根鉢はあまり崩さないようにして植えつけます。植え付け後は、支柱を立てて根がぐらつかないようにしておきます。

植え場所

日当たり、風通しのよいところに植えます。日陰では花付きが悪くなります。

また、過湿を嫌いますので、水はけのよいところに植えるようにします。

日常の管理

花後に鞘が付きますが、放置しておくと木の負担になりますので、早めに切り取っておきます。

剪定

剪定を行うときは、花後、あまり間をおかずに強く刈り込んでよい枝を出すようにします。

特に、エニシダは上に枝が伸びていきますので、切り詰めて樹形を整えます。

ふやし方

エニシダは、夏の高温多湿が苦手で、生育のよかった木が夏を過ぎる前に当然枯れてしまうことがあります。

こうした場合に備えて、大切な木は挿し木をしておくと安心です。花後、あまり間をおかずに赤玉土などに挿せば、比較的容易に発根します。

エニシダの花

肥料

やせ地でない限りあまり必要としません。

病気・害虫

病虫害はあまりないですが、たまにアブラムシがつくことがあります。

また、枝が枯れ込んだり、ひどい場合は株が枯れてしまうことがありますが、異変に気づいたときには手遅れになっている場合が少なくありません。

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