ウツギ

ウツギの花
写真 ウツギ
撮影時期 2009.5.20
栽培状況 庭植え

科名・属名

アジサイ科
ウツギ属

園芸分類

落葉中木

別名

ウノハナ

原産地

日本

用途

庭植え

花期

5〜6月

【ウツギについて】

ウツギは、日本の各地に分布しているアジサイ科ウツギ属の落葉低木です。ウツギと名の付く花木はたくさんありますが、単にウツギといえば、この属のクレナタ( D. crenata) を指します。

生垣や庭木として植栽されていて、「卯の花の匂う垣根に・・・・・・」という文部省唱歌を思い出しますが、この歌のウツギもおそらく本種だと思われます。ただし、ウツギには芳香と言えるようなよい香りはありません。

なお、ウツギの名前の由来は、幹が中空なので「空木」という説と、卯月に咲くからという説があるようです。ウツギの変種のサラサウツギは、八重咲きで美しい色合いをしており、よく植えられています。そのほか、シロバナヤエウツギもウツギの変種です。

ウツギ属の中では、ヒメウツギやマルバウツギのほか、シセンウツギなども見かけます。また、園芸交配種の‘ロザリンド’などもよく栽培されています。

一方、ウツギという名前が付いていても、バイカウツギオオベニウツギタニウツギなどはウツギ属ではありません。逆に、ベニバナバイカウツギは、バイカウツギという名前がついていますがウツギ属の仲間です。

ウツギ属でない花木にもウツギという名前が付いたのは、それだけウツギが身近な木だったのではないかと思われます。

【栽培メモ】

放任すると枝がよく伸びて樹形が乱れますが、剪定をすることによって、比較的狭いスペースでも栽培できます。暑さ、寒さに強く育てやすい花木で、素敵な色合いの園芸品種もあり、満開になると人目を引きます。

【ウツギの概要】

ウツギの花

樹高

株立ち状で、1.5mほどになります。

また、ヒメウツギは1mを超えることはありません。

基本種は5弁の白花です。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 強い

耐暑性、耐寒性が強く全国で栽培可能です。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Deutzia spp.

学名の説明

Deutzia・・・・・ 18世紀のオランダの法律家で植物学者の Johan van der Deutz への献名

crenata・・・・・「円鋸葉状の」、「丸い扇型の縁を持つ」

candidissima・・・・・candida(純白色の、白く輝いた)+ issima で candida の比較最上級になります。

setchuenensis・・・・・「四川省の」

elegantissima・・・・・ elegans(優美な、風雅な)+ issima で elegans の比較最上級になります。

【主な種類と品種】

ウツギ
D. crenata

よく見かける種類で、白い花が咲きます。単にウツギといえば本種を指します。

ヤエウツギ
D. crenata f. candidissima

ウツギの変種で、八重咲きの白い花をつけます。(写真:下)

サラサウツギ
D. crenata f. plena

こちらもウツギの変種で、八重咲きですが、外側の花弁がほんのりと紅を帯びて大変美しいウツギです。

ヒメウツギ
D. gracilis

矮性の品種で、白花です。

シセンウツギ
D. setchuenensis

四川省など中国西部原産で、花径1.5cmほどの小さな花が長い間咲きます。

‘ロザリンド’
D. × elegantissima
'Rosalind'

ウツギの種間交配種で、一重咲きで花弁の外側が濃いピンクの花です。(写真:上から2枚目)

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 枝がよく伸びて樹形が乱れますので、毎年、剪定します。

植え付け

11月から3月ごろが植えつけの適期です。植穴に腐葉土(又はバーク堆肥)を入れて庭土とよく混ぜ合わせてから植えつけます。

ウツギの花

植え場所・置き場所

土質は選びませんが、日当たりのよいところが適しています。ただし、半日程度日が当たれば、問題はありません。

剪定

剪定は花後に行います。伸びすぎた枝や込み合った枝を整理します。

また、全体を切り詰めるときも花後に行います。

花芽は8月に付き始めますので、冬に剪定するときは伸びすぎた枝を軽く剪定する程度にして、花芽のついている枝を切り落とさないよう注意します。

肥料

樹勢が強いので、やせ地でなければ、あまり肥料は必要ありません。

病気・害虫

たまに、ウドンコ病が発生することがあります。

ページのトップに戻ります。このページのトップに戻ります。一覧へ戻ります。一覧に戻ります。