フジ Wisteria floribunda

フジの花
写真 '八重黒竜フジ'
撮影時期 2014.4.23
栽培状況 庭植え
科名・属名

マメ科
フジ属

園芸分類

つる性落葉低木

別名

(特にありません)

原産地

日本

用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜5月

【フジについて】

フジは、日本人にとって、最もなじみのある花木のひとつで、古くから愛されてきました。それだけに、フジの名木、名所も数多くあります。

日本のフジは、ひとつはノダフジ(W. floribunda)、そして、もう一つはヤマフジ(W. brachybotrys)で、この二つは中国にはないことから、日本のフジに藤を充てるのは間違っていると牧野富太郎博士は述べています。

二つの違いは、上から見て、ツルが反時計回りに巻き付くのがヤマフジで、時計回りに巻き付くのがノダフジと言われています。

この2種類のうち、園芸品種の多くはノダフジであることから単にフジと言えば本種を指します。

万葉集にもフジを詠んだ歌が21首あると言われています。その一句 「藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君」は、太宰府で大伴四綱(おほとものよつな)が大伴旅人(おおとものたびと)に贈った歌とされています。

ところで、フジは、棚をつくらなければならないと思っている人もいますが、必ずしも棚仕立てにする必要はありません。剪定によって、一般の樹木のように主幹のある樹形に仕立てることもできます。

栽培したところでは、棚をつくるスペースがないので株仕立てにしたところ、上の写真のように何とか花が咲くようになりました。

ただし、ツルの伸びが非常に旺盛ですので、狭いところに植えて往生しています。花を美しく見るためにも、また、樹形を整えるためにも剪定が何より重要です。

【花の特徴と性質】

フジの花

樹高

つる性木本で、10mにもなります。

品種によって花房に長短がありますが、「九尺フジ」など長いものでは90pにもなります。

園芸品種も多く、色も、白、淡桃、紫、などがあります。

耐寒性・耐暑性

いずれも強く、育てやすい花木です。

学名の説明

Wisteria・・・・・アメリカの解剖学者 Caspar Wistar への献名

floribunda・・・・・「花の多い」

brachybotrys・・・・・ ギリシャ語の brachy(短い)+ botrys(ブドウの房)が語源です。
※ 花穂が短いことに由来します。

【主な種類と品種】

たくさんの品種がありますが、以下は比較的手に入りやすい品種です。なお、ヤマフジには、シロカピタン(白花美短)という品種があります。

八重黒竜フジ

濃紫色の八重の品種で、花穂の長さは20〜25pほどです。

本紅フジ

紫紅色の淡い色で、内弁ほど濃い色をしています。花穂は35pほどです。

シロバナフジ

白色の中輪で、花穂の長さは40pほどです。

クチベニフジ

つぼみのときは赤く、咲き始めるとともに口紅状になります。花穂の長さは25〜30pほどです。

【育て方と栽培のポイント】

植え付け

植え付けは、一般には11〜12月と2〜3月頃が適期です。フジは、腐食質に富んだ肥沃な土壌を好みますので、植穴に腐葉土か完熟堆肥を十分に入れて庭土とよく混ぜ合わせてから植えつけます。

植え場所

フジの花

日当たりのよいところでないと花付きが悪くなります。池の周囲にフジ棚がつくられているように、湿った場所を好みます。

鉢植えも可能ですが、毎年花を咲かすのは、水やりなど管理の十分できる人でないと相当に難しいと思います。

鉢植えの用土

赤玉土とバーク堆肥(腐葉土)を7対3程度に混ぜた用土などを使います。

日常の管理

花後の豆果を残しておくと木の負担になるので、早めに取っておいてください。

剪定

剪定は、葉が落ちてから行います。長く伸びた枝には花芽が付きませんので、こうした枝を5〜10芽残して切りつめるとともに、混みあった枝や不要な枝を切り取ります。

とにかく枝がよく伸びますので、伸びすぎて他の樹木の邪魔になるような枝は、適宜切り詰めます。

肥料

庭植えの場合は、ほとんど必要ありません。

フジの花

鉢植えの場合は、2月に有機質肥料を置肥し、花後にも少量の化成肥料を与えます。

チッソ肥料を与えすぎると枝が徒長するだけでなく、花付きが悪くなるので注意します。

病気・害虫

特に気にするようなものはありませんが、枝や幹にコブのできる癌腫病が発生することがあります。

そのままにしておくと樹勢が衰え花が咲かなくなりますので、早めに削り取り、切り口に石灰乳を塗っておきます。

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