タチアオイ

タチアオイの花
写真 ‘サマーカーニバル'
撮影時期 2016.6.6
栽培状況 秋播き後、庭植え

科名・属名

アオイ科
タチアオイ属

園芸分類

一・二年草
宿根草

別名

アルテアロゼア
ホリホック

原産地

中国、西アジア

用途

庭植え

花期

5〜8月

【タチアオイについて】

タチアオイは、中国や西アジア原産のアオイ科の春播き二年草、又は秋播き一年草です。環境がよければ宿根しますが、高温多湿にそれほど強くなく、宿根しても短命のようです。

この花は、昔から、農家の庭先などに植えられて親しまれてきました。今ではそうした風景を見かけることも少なくなってきましたが、春の花が盛りを過ぎて初夏が近づくと、高く伸びた花茎にきれいな花を付けたタチアオイを見かけます。

夏の花のようにも思いますが、実際はずいぶんと早く、夏が来る前の5月下旬ごろから6月になると満開になります。

なお、花色が黒に近い濃い黒紫の花が咲くタチアオイは、特に、ブラックマロウと呼ばれて親しまれていますので、別に載せています。

【栽培メモ】

'サマーカーニバル' という品種を秋播きにして、冬は不織布を掛けておいたところ、春になってよく咲いてくれました。タチアオイは大変丈夫ですが、うっかりして、育苗中に葉を食べられてひどい目に遭ったことがあります。

【タチアオイの概要】

タチアオイの花

草丈

80p〜2mぐらいになります。

花径10pほどの花が咲きます。一重と八重があります。

花色は、白、黄、桃、赤、濃赤などがあり、色彩が豊富です。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 比較的強い
(一年草タイプはやや弱い)

耐寒性は強く、庭植えで越冬します。耐暑性も比較的ありますが、一年草タイプの多くは花後の夏に枯れてしまいます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Alcea(=Althaea) rosea

学名の説明

Alcea・・・・・ギリシャ語の althaino(治療する)が語源です。
※ 昔、この属の植物が薬用にされたことに由来します。

rosea・・・・・「バラ色の」

【主な種類と品種】

最近は、一年草タイプの品種が多くなっています。ここでは、タネが販売されているものを載せています。

'サマーカーニバル'

一年草タイプで、草丈は1.5〜2mほどになります。八重咲きで花径は10cmほどです。花色も豊富で、赤色、桃色、淡桃色、黄色、白色と揃っています。

'スプリングセレブリティー'

一年草タイプで、草丈は80cmほどです。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 3号のポリポットに播いた方が、手間がかかりません。

タネまき

一年草タイプは、暖かい地域では9月中旬〜10月上旬に播いて、翌年に花が咲きます。寒地では春播きにします。

タチアオイの花

春に播いて、翌年の夏に花を咲かせる二年草タイプは、5月に播き、翌年の初夏から夏に咲きます。環境が合えば宿根します。二年草タイプを秋に播くと翌年開花しないことがあります。

タネは、直まきにするかポリポットや小鉢に播きます。覆土は5mmほどにします。

直まきの場合は、30cm間隔で2〜3粒播いて、発芽後、よい苗を残してほかは間引きします。

ポリポットに播く場合は、3号のものを使用し、2〜3粒播いて、発芽後、徐々に間引いてしっかりした苗を1本残します。

苗が小さいときでも葉を食べられることがあり、生育に大きな影響を受けますので注意します。

植え付け

植えつけの前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて耕しておきます。

ポットに播いた場合は、ポットの底に根が回ったら定植しますが、直根性のため定植が遅れないようにします。

植えつける際には腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、庭土とよく混ぜてから植え付けます。

株間

30〜40cm程度とします。上の写真のように、可能であれば群植すると見応えがありますが、大型の草花ですので、それなりのペースを必要とします。

植え場所

日当たりと水はけのよいところに植え付けます。日当りがよくないと、満足する結果が得られません。

日常の管理

花茎が長く伸びますので、風雨で株が傾いてしまうことがあります。この場合は、支柱を立てて倒伏を防ぎます。

花が終わったら、切り戻しておきます。

タチアオイの花

冬の管理

耐寒性がありますので関東以西の温暖地であれば、霜除けをしなくても冬を越します。

ただし、一年草タイプの苗を秋に植え付けたときは、冬場、不織布を掛けておくと、春先に充実した株になってよく花が咲いてくれますし、開花も早まります。

肥料

化成肥料を1u当たり50gほど施し、腐葉土(又はバーク堆肥)と一緒に庭土とよく混ぜ合わせてから植え付けます。チッソ肥料を多く与えると、徒長し、倒伏しやすくなります。

追肥は、株の様子を見て、生育がいまひとつなら施しますが、肥沃な土壌でよく育っているなら特には必要ありません。

病気・害虫

ハマキムシやアワノメイガの食害に注意します。

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