ストック |
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【ストックについて】 |
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ストックは南ヨーロッパ原産のアブラナ科の秋まき一年草で、ボリュームのある美しい花が咲くので、とても人気のある草花です。園芸店やホームセンターなどには、早くから開花株が出回りますが、9月下旬頃にタネを播いて育てると、開花は3〜4月ごろになります。 八重咲きのストックは本当に豪華で美しいものですが、タネを播くと、八重咲きと一重咲きが半分程度に分かれますので、八重咲きの苗だけを育てたい場合は、幼苗を見て選別する必要があります。 また、分枝する品種と分枝しない品種がありますが、花壇やプランターに植えるなら矮性で分枝する品種が向いています。掲載している写真は、分枝系の‘カルテット’の花色混合です。 【栽培メモ】 ポリポットにタネを播いてもよかったんですが、2016年の秋は箱まきにして、その後ポリポットに植え替えて無加温のビニールハウスで育苗しました。そして、春先にプランターに定植しましたが、植え傷みが少なくよい結果が得られました。 栽培した経験から言わせてもらうと、一重咲きと八重咲きを幼苗のうちに的確に見分けるのは、そう簡単ではありません。むしろ、相当の経験が必要で、単なる知識だけでは難しいと言えます。 写真は全て八重咲きになっていますが、これは、100パーセント八重咲きを揃えようと思い、蕾の膨らみ方から八重咲きであることを確認し、それから摘心をして育てたものです。 蕾を見てからの摘芯となりましたので、当然のことながら開花も少し遅れてしまいましたが、よく分枝をして見事に咲いてくれました。ただし、無加温のビニールハウスで育てたもので、設備がないとこの方法は難しいかもしれません。 |
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【ストックの概要】 |
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草丈 矮性種は20〜30p程高性種になると1〜1.3mほどになります。 花 芳香のある花を花穂にたくさん付けます。タネを播くと一重と八重の花が出ますが、一般にはボリュームのある八重咲きの花が好まれます。 また、枝分かれするタイプと、枝分かれせずに主茎が伸びるタイプに分かれます。通常、無分枝系は切り花に、分枝系は鉢やプランターで育てるのに栽培されます。花色は、白、桃、赤、紫などです。 耐寒性・耐暑性
耐寒性が弱いので、温暖地以外は露地植えは困難です。 (強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら) 栽培難易度 タネから育てる場合:やや難しい 苗から育てる場合:やさしい (やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分) 学名 Matthiola incana 学名の説明 Matthiola・・・・・イタリアの医師で博物学者の P.A.Mattioli への献名 incana・・・・・「微白色の」、「灰白色の」 |
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【主な種類と品種】 |
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【 育て方 】 −私はこう育てる− |
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栽培のポイント ※ 一重咲と八重咲の選別は、タネまき後2週間ほどの幼苗のころに行います。 ※ アブラムシを見つけたら、早めに駆除します。 タネまき 極早生種を7月中旬〜下旬に播いて、年内に花を楽しむ方法もありますが、夏の育苗が難しいので、通常、9月中旬〜10月上旬に播きます。直根性ですので、営利栽培はともかく趣味で育てるなら、清潔な用土を使って2号のポリポットに直接播いた方が後の管理が楽です ポリポットに播く場合は、2粒ずつ播き、覆土はタネが隠れる程度にします。 発芽後、本葉が2〜3枚のころに間引をして1本にし、本葉が4〜5枚のころに3号のポリポットに植え替えて苗を育てます。 参考 一重咲と八重咲の見分け方ですが、タネまき後2週間ほどの幼苗のころに選別します。 八重咲きは、一重咲きよりも葉が大きく、葉の形は卵型、葉の色は淡緑色です。一重咲きは、八重咲きと比較すると葉が小さく、葉の形は丸型、葉の色は濃緑色です。 手順としては、まず、生育が遅れている苗を取り除き、次に、葉の形と色で選別していきます。 ただし、正確に見分けるのには熟練を要します。 植え付け 本葉が5〜6枚になり3号ポットの底に根が回ったら、花壇やプランターなどに定植します。一重咲きと八重咲きの選別には相当の熟練を要しますので、趣味での栽培の場合は、更に4号のポリポットに植え替えフレームやビニールハウスで苗を育て、蕾の形状を確認すれば、八重咲きか否か正確に見分けることができます。それから定植しても、遅すぎるということはありません。 酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて耕しておきます。 植え付けの際は、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れて、化成肥料と一緒に庭土とよく混ぜてから植え付けます。 プランターや鉢に植える場合は、年内〜春先に花付きの苗が売られていますので、これを植えて楽しむこともできます。 鉢植えの用土 市販の草花用培養土もしくは赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。 植え場所・置き場所 花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。鉢やプランターで育てる場合も日当たりのよいところに置きます。 株間 無分枝系で10〜15p、分枝系で15〜20p程度とします。 日常の管理 高性種は、草丈が50p程度になってきたら、支柱を立てて倒れないようにします。 分枝系の品種は、摘心をして枝数を増やすようにします。 冬の管理 花壇に植える場合は、定植した後で霜に当たると株が傷むので、不織布でトンネルをするなどして霜除けをします。 その他の地域は、フレームなどで苗を育て、春になってから定植します。 鉢やプランターは、霜の当たらない軒下などに置きます。 肥料 花壇に植えた場合は、植え込み時に、化成肥料を1u当たり30〜50gほど入れて庭土とよく混ぜておきます。 鉢やプランターの場合は、植えつけ時に緩効性肥料を与え、暖かくなったら液肥を月2回程度与えます。 病気・害虫 コナガの幼虫に葉を食べられることがあります。また、アブラムシが付きやいので、被害が広がらないよう早めに駆除します。 |
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