クンシラン

クンシランの花
写真 クンシラン
撮影時期 2001.4.15
栽培状況 鉢植え

科名・属名

ヒガンバナ科
クンシラン属

園芸分類

半耐寒性多年草

別名

クリビア

原産地

南アフリカ

用途

鉢植え

花期

3〜4月

【クンシランについて】

クンシランは、南アフリカ原産のヒガンバナ科クンシラン属の半耐寒性の多年草で、明治時代に日本に入ってきたと言われています。なお、クンシランは、もともとは原種系のノビリス(C. nobilis)に付けられた和名でしたが、花が下向きに咲いて花の美しさも劣ることから、今では、ウケザキクンシラン(C. miniata )の方をクンシランと呼ぶようになっています。

クンシランは、洋ランの仲間ではありませんが、ランという名前が付くだけに、洋ランに劣らぬ美しい花が咲きます。しっかりした花茎の先に赤橙色の豪華な花が咲いている姿は本当に美しいものです。

ところで、クンシランといえば赤橙色の花と決まっていましたが、最近は、黄色の花もよく見かけるようになりました。価格もずいぶんと下がってきましたので、入手しやすくなっています。

【栽培メモ】

冬は、霜の当たらない軒下に置いていますが、寒さで少し葉先が傷む程度で冬を越しています。また、12月に半日ほど日が当たるところに出していましたが、日差しが弱いこともあって、葉焼けするほどにはなりませんでした。

【クンシランの概要】

クンシランの花

草丈

ダルマ系と呼ばれる矮性のもので20p、高性のものになると70pほどになります。

花径は、通常4〜7p程度です。ひとつの花茎に10〜15輪程度の花を咲かせますが、多花性種になると20輪にもなりたいへん豪華です。

花の色は赤橙色ですが、株により、また、品種により濃淡があります。やはり、濃い色が好まれるようです。

最近は黄色のクンシランもカタログなどで見かけるようになりました。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 やや弱い
耐暑性 比較的強い

耐暑性はありますが、耐寒性は弱く、霜に当たると傷んでしまいます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

(花を咲かせるのは)やや難しい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Clivia miniata

学名の説明

Clivia・・・・・18世紀イギリスのノーサンバーランド州の公爵夫人 Charlotte Flornetina Clive に因みます。

miniata・・・・・「赤色の」、「赤くなった」

nobilis・・・・・「気品のある」、「立派な」

【主な種類と品種】

黄花の品種や葉に斑の入ったもの、また、花の美しいものは、品種名が付けられて売られています。特に、「羽陽の華」という品種は、多花性で非常に美しいものです。

従来の赤橙色では、ダルマ系という丈が低く葉の幅が広い品種がよく売られています。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 4〜11月は戸外の明るい日陰で、12月〜3月は室内で育てます。

※ 梅雨時や長雨が予想されるときは、雨のかからないところに移します。

植え付け

タネから育てることができますが、一般には、4〜5月に株を購入して植えつけます。耐寒性が弱いので、鉢での栽培になります。

大きい鉢は使わず、5号鉢程度に植えつけます。

鉢植えの用土

水はけのよい用土を使います。赤玉土、軽石砂、腐葉土を4:3:3程度に混ぜたものなどが一例です。私は、軽石砂の代わりに鹿沼土を入れていますが、特に問題なく育っています。

置き場所

クンシランは直射日光を嫌い、日射しの強いところに置くとたちまち葉焼けしてしまいます。また、霜に当たると傷みますので、4〜11月は戸外の明るい日陰で、12月〜3月は室内で育てます。

戸外に明るい日陰がない場合は、遮光ネットを使います。特に夏場は十分に遮光して株を保護する必要があります。

過湿を嫌いますので、梅雨時や長雨が予想されるときは、雨のかからないところに移したほうが安全です。

植え替え

管理が適切であれば、子株ができて大きくなってきますので、2〜3年ぐらいすると植え替えの時期になります。

株分けをして植え替えてもいいですし、株分けせず大きな鉢に植え替えすれば、花時に花茎が2〜3本伸びてきますので大変豪華になります。

クンシランの花

植え替えは5月ごろが適期です。古い用土と傷んだ根を取り除いて、新しい用土で植え替えます。

日常の管理

乾燥には強いですが過湿に弱いので、春から秋は、鉢土の表面が乾いてから十分に水やりをします。

高温時に葉の間に水がたまると軟腐病が発生する恐れがありますので、夏場は夕方以降に水やりし、葉にかからないようにします。

鉢を同じ方向に置いたままにしておくと、草姿が乱れますので1〜2週間ごとに鉢を180度回転してやることが必要です。

花が終わった後、そのままにしておくとタネができますので、タネを取って播く予定がなければ早めに花茎を切り取ります。

冬の管理

クンシランは寒さに弱く、霜に当てると傷みますので、霜の降りる前に室内に取り込んで管理します。冬の室内では、レースのカーテンで遮光し、水やりは控えめにします。

関東以西の温暖地では、室内に取り込んでもよいですが、霜の当たらない軒下などに置けば冬を越せます。ただし、特に寒さの厳しいときは、室内に取り込むようにします。

なお、クンシランは、10度以下の低温に60日程度遭わないと花茎が伸びないという性質を持っていますので、室内に取り込む時期が早すぎるとうまく咲いてくれません。

ふやし方

比較的簡単に株分けができますので、植え替えの際、根を傷めないように分けてやります。

肥料

肥料をよく好みますので、植えつけ時に緩効性肥料を与え、花後と秋に置肥をします。

生育期間中、夏場を除き、10日に1回程度液肥をあたえてもかまいません。

病気・害虫

病害虫は特にありませんが、ナメクジに葉を食べられることがあります。

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