ギョリュウ

ギョリュウの花
写真 タマリクス・ラモシッシマ ‘ピンクカスケード’
撮影時期 2015.6.25
栽培状況 庭植え

科名・属名

ギョリュウ科
ギョリュウ属

園芸分類

落葉中木

別名

タマリクス

原産地

中国ほか

用途

庭植え

花期

6〜9月

【ギョリュウについて】

ギョリュウ(御柳)は、ギョリュウ属の落葉樹で、本来は、中国原産のタマリクス・シネンシス(Tamarix chinensis )を指しますが、木が大きくなるためか、ほとんど見かけることはありません。

最近は、花がピンクのラモシッシマ(Tamarix ramosissima )の‘ピンクカスケード’がギョリュウとしてよく出回っています。こちらは、その年に伸びた新枝に花が咲きます。

また、タマリクスという場合は、ヨーロッパ産のタマリクス・テトランドラTamarix tetrandra )を指す場合が多いようですが、明確なものではなく、ヨーロッパギョリュウと呼ばれることもあります。テトランドラは、前年の枝に咲く旧枝咲きで、4月に開花します。

ところで、‘ピンクカスケード’の花の咲き方はちょっと変わっていて、開花時期になると枝先が次第に花に変わっていくような印象を受けます。

【栽培メモ】

‘ピンクカスケード’を庭植えにして栽培したところでは、生育は比較的ゆっくりですが、耐寒性、耐暑性とも強く、栽培は容易でした。ただし、5年ほど経って急に枯れ込みましたので、木の寿命はそれほど長くないのかもしれません。

【ギョリュウの概要】

ギョリュウの花

樹高

シネンシスは、4〜7mほどの樹高になりますが、ラモシッシマは剪定をして2〜2.5mほどで収まっていました。針葉樹のような小さな針状の葉に特徴があります。

淡紅色の小さな花が枝先にたくさん咲きます。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 強い

耐寒性、耐暑性とも強く庭植えできます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Tamarix

学名の説明

Tamarix・・・・・自生地であるピレネー地方の tamaris 川に因んだ古ラテン名です。

chinensis・・・・・「中国の」

ramosissima・・・・・「分枝の多い」

tetrandra・・・・・「4雄ずい(=おしべ)の」

【主な種類と品種】

ギョリュウ属の主な仲間です。

シネンシス
T. chinensis

中国原産で、もともと、ギョリュウと言えば本種のことを指します。二期咲きで、花は薄い紅紫色です。植栽は少ないようです。

ラモシッシマ
T. ramosissima

ピンクの花が咲き、花が美しいので比較的よく植えられています。‘ピンクカスケード’という濃いピンクの品種が販売されています。新枝咲きで花期は5〜6月と秋の二期咲きです。

ガリカ
T. gallica

ヨーロッパ南西部原産で、フレンチタマリスクとも呼ばれます。(写真:下)

テトランドラ
T. tetrandra

バルカン半島、西アジアが原産で、ヨーロッパギョリュウとも呼ばれます。旧枝咲きで、4月頃にピンクの花が咲きます。こちらは一期咲きです。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

ここでは、ラモシッシマについて記載しています。

栽培のポイント

※ 枝がよく伸びるので、花後又は12月〜2月頃に剪定をします。

植え付け

植え付けの時期は、春、秋いずれでもかまいません。土質は特に選びません。普通の庭土でもよく育ちます。枝がよく伸びますので、鉢植えにはあまり適していません。

庭に植える場合は、苗木の大きさにもよりますが、通常は根鉢の2〜3倍の植え穴を掘って、掘り出した庭土に3割程度の腐葉土(又はバーク堆肥)を入れて庭土とよく混ぜ合わせて植えつけます。植え付けた後は支柱をして、苗木がぐらつかないようにしておます。

ギョリュウの花

植え場所

土質は特に問いません。日当たりがよければ問題なく育ちます。

剪定

枝がよく伸びるので、樹形を整えるうえで剪定は欠かせません。

通常は、落葉期の12月〜2月頃に剪定をします。また、必要なら花後すぐに伸びすぎた枝を剪定します。切るところは、樹形にあわせて任意の位置でかまいません。

肥料

もともと丈夫で枝の伸びもよいので、極端なやせ地でなければ施肥は特に必要ありません。

病気・害虫

特にありませんが、急に枯れ込むことがあります。

ページのトップに戻ります。このページのトップに戻ります。一覧へ戻ります。一覧に戻ります。