アナガリス

アナガリスの花
写真 'ブルーライト'
撮影時期 2008.4.29
栽培状況 秋まき後、プランターに植え付け

科名・属名

サクラソウ科
ルリハコベ属

園芸分類

秋まき一年草
(多年草)

別名

(特にありません)

原産地

ポルトガル、スペイン

用途

庭植え、鉢植え

花期

4月〜5月

【アナガリスについて】

アナガリスは、ポルトガル、スペインなどが原産のサクラソウ科ルリハコベ属の秋まき一年草です。園芸店やホームセンターなどで見かけるのは、ブルーの花色が美しいモネリー(A. monelli)の園芸品種ですが、オレンジの花が咲くアカバナルリハコベ(A. arvensis)の品種も見かけることがあります。

なお、ルリハコベ属は、世界の温帯から亜熱帯に分布している一年草又は多年草で、日本にはルリハコベ(A. arvensis f. coerulea)が温暖地の海岸などに自生しています。

【栽培メモ】

耐暑性が弱いので、春まきで花を楽しむのは容易ではありません。そこで、‘ブルーライト'という品種を秋に播いてみましたが、発芽もよく、育苗もスムーズにいって、大変にぎやかに咲いてくれました。

オレンジの花が咲くアカバナルリハコベも、ブルー系の品種と同様の育て方でよく咲いてくれました。

【アナガリスの概要】

アナガリスの花

草丈

20〜30pほどで、成長力が強く横にぐんぐんと広がっていきます。

花径は1pほどですが、花付きがよく、写真のようにけっこうにぎやかに咲いてくれます。花期もまずまず長いといえます。

日中は花が開いていますが、夕方には閉じます。

ブルー系の品種が多いですが、オレンジの花が咲く品種もあります。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 やや弱い
耐暑性 弱い

寒さにやや弱く、霜に当たると傷みます。耐暑性はありません。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

タネから育てる場合:比較的やさしい

苗から育てる場合 :やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Anagallis monelli

学名の説明

Anagallis・・・・・この属の植物の古ギリシャ名に由来します。

monelli・・・・・(※ 不詳)

arvensis・・・・・「耕作地の」

coerulea・・・・・「青色の」

【主な種類と品種】

‘スカイラバー'
cv. Skylover

モネリーの園芸品種で、大変美しい瑠璃色の花です。(写真:下から2枚目)

‘ブルーライト'
cv. Blue Light

こちらもモネリーの園芸品種で、美しいブルーの花がいっせいに咲くので見ごたえがあります。やや匍匐性で、マット状に横に伸びます。(写真:上の2枚)

アカバナルリハコベ

ブルー花が主流のアナガリスですが、オレンジ色で大変目を引く品種です。(写真:最下段)

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 秋まきの場合、花壇に植えるのは春になってからにします。

※ 摘芯をすると、締まった株になり花がたくさん咲いてくれます。

タネまき

タネから育てることができます。タネは9月中旬〜10月上旬に箱まきし、覆土はタネが隠れる程度にします。本葉が3〜4枚になったらポリポットに植え替えます。

ポットに植え替えた後、株が大きくなってきたら摘芯をすると締まった株になり、枝数も増えて、花がたくさん咲いてくれます。

アナガリスの花

植え付け

ポットに根が回ってきたら定植ですが、‘ブルーライト’という品種を育てた経験では、初期の生育がゆっくりですので、通常の栽培では秋に定植するところまで大きくなりませんでした。

品種によるのかもしれませんが、こういう場合は、フレームの中などで気長に育てていきます。

フレームで育てていると、定植できるようになるのは寒い時期になりますが、すぐに庭植えにすると生育が止まり、結果として、開花時期が梅雨が近くなるのでよい花は見込めません。

そのままフレームで育てて、花壇への定植は、暖かくなるまで待ちます。また、鉢やプランターへ植える場合も、春まではフレームなどの中で育てます。

酸性土壌を嫌うので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を撒いて土に混ぜ込んでおきます。

鉢やプランターで育てる場合は、ポットの底に根が回ってきたら定植します。

なお、春に苗が販売されていますので、これを植えつけると簡単です。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土、あるいは、赤玉土と腐葉土(又はバーク堆肥)を2対1程度に混ぜたものなどを使います。

植え場所・置き場所

花壇に植える場合は、日当たりと水はけのよいところに植え付けます。

鉢植えも日当たりのよいところに置いて育てます。

株間

花壇に植える場合は、暖かくなってくると横に広がっていきますので25〜30pほどにします。

ほふく性の品種をプランターに植える場合は、径の大きな丸形で浅底のものを使います。

日常の管理

どちらかというと蒸れに弱いので、鉢やプランターで育てる場合は、多湿にならないように管理します。

花が終わったら半分ほどに切り戻しておきます。温暖地では厳しいですが、夏を乗り越えることができれば、秋にまた花をつけるようです。

アナガリスの花

冬の管理

秋まきの場合、育苗中の苗も、鉢やプランターに植えた株も、暖かくなるまでフレームなどで育てます。

ふやし方

挿し芽が可能です。バーミキュライトなどに挿し芽すれば発根します。ただし、温暖地の場合は、挿し芽で増やしても夏を乗り切ることが難しいと言えます。

肥料

あまり多肥にする必要はありません。肥料を多く与えると花つきが悪くなります。

庭植えの場合は、無肥料でもよく育ちます。鉢やプランターの場合は、植え付け時に緩効性の肥料を少なめに与え、暖かくなったら液肥を月2〜3回与えます。

病気・害虫

アブラムシがつきやすいので、見つけ次第駆除します。

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