ルピナス

ルピナスの花
写真 'ブルーボンネット'
撮影時期 2006.5.3
栽培状況 秋播き後、庭植え(冬は農ポリでトンネルして霜除け)

科名・属名

マメ科
ハウチワマメ属

園芸分類

一・二年草

別名

ハウチワマメ(葉団扇豆)

原産地

地中海沿岸、北米

用途

庭植え、鉢植え

花期

4〜5月

【ルピナスについて】

ルピナスは、地中海沿岸や北米が原産のマメ科ハウチワマメ属の宿根草もしくは一・二年草です。本来、宿根草の種類も温暖地では宿根することができず、秋まき一年草の扱いになります。

ルピナスといえば、ラッセルルピナスがよく知られていますが、一・二年草の仲間にもカサバルピナスキバナルピナスなどがあります。

ここで取り上げているのは、テキセンシス(L. texensis)など、それ以外のルピナスです。

温暖地では、ラッセルルピナスを秋にタネを播いて春に花を咲かせることは容易ではありませんが、テキセンシスなど、ここで取り上げている種類は秋にタネを播いて比較的容易に花を楽しむことができます。

【栽培メモ】

ルピナスは寒さには比較的強いですが、育苗が少し遅れたので、テキセンシスの'ブルーボンネット'という品種をトンネルして栽培したところ、大変よく咲いてくれました。

なお、ルピナスは低温に当たることで花芽をつくりますが、秋に花壇に定植して1月中旬から2月中旬の間にトンネルをしましたが、その程度では開花には影響ありませんでした。

また、'ミニギャラリー'も秋播きにして冬の間不織布でトンネルをしましたが、こちらもよく花が咲きました。

【ルピナスの概要】

ルピナスの花

草丈

(主な種類と品種を参照してください。)

(主な種類と品種を参照してください。)

耐寒性・耐暑性

耐寒性 比較的強い
耐暑性 弱い

高温多湿に弱いので、温暖地では夏を越すことが困難です。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:比較的やさしい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Lupinus spp.

学名の説明

Lupinus・・・・・lupus(オオカミ)に由来するローマの植物名から

texensis・・・・・(アメリカの)「テキサスの」

hartwegii・・・・・ドイツの植物学者 Karl Theodor Hartweg への献名

nanus・・・・・「小さい」、「低い」

【主な種類と品種】

ルピナス・テキセンシス
(L. texensis)

アメリカのテキサス州原産で、草丈は30〜40p程度です。以前に「サカタのタネ」から、青花の 'ブルーボンネット' や濃赤花の 'テキサスマローン' のタネが出ていました。

'ピクシーデライト'
(L. nanus)

一・二年草で、草丈は40p、花穂は20cmほどです。花色がミックスされたタネが販売されています。

'アバルン'
(L. hartwegii 'Avalune')

草丈は30〜40pほどです。花色がミックスされたタネが販売されています。(写真:上から2枚目)

'ミニギャラリー'
(L. polyphyllus 'Mini Gallery')

ラッセルルピナスの元になっているポリフィルス種で、草丈は30〜40pほどです。ミニとは言え大きな花房が魅力です。花色は赤、ピンク、黄、ブルーなどの花色があります。(写真:下から2枚目)

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 移植を嫌うので、一晩水につけてから直播き又はポリポットに播きます。

タネまき

9月中旬〜10月中旬がタネまきの時期です。寒冷地は春播きになります。移植を嫌うので直播きがいいですが、花壇にすぐ播けない場合は、ポリポットに播きます。覆土は5mmほどにします。

タネの皮が堅くて水を吸いにくいので、一晩水につけてから播くと発芽がよくなります。

直まきの場合は、25〜30cmの間隔で2〜3粒づつ播きます。発芽後、しっかりした苗を1本残して、ほかは間引きします。

ルピナスの花

ポリポット播く場合は、2〜3粒づつ播き、発芽後、苗の育ちを見てよい苗を1本残します。

苗が徒長しやすいので、発芽後は、早めに半日陰になるような場所に移すようにします。

植え付け

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて耕しておきます。

ポットにタネを播いた場合は、ポットの底に根が回ってきたら花壇に定植します。春までに株をできるだけ大きくしておかないとよい花が咲きませんが、定植が遅れると、株を大きくすることが難しくなります。

花壇に植える場合は、植えつけ時に腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり5〜10Lほど入れて、庭土とよく混ぜてから植えつけます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土にパーライトを1割程度加えたものを使用します。もしくは赤玉土、腐葉土(又はバーク堆肥)、軽石砂を6:3:1程度に混ぜたものなどが一例です。

株間

花壇に植える場合は25〜30pほどの間隔をとります。60cmのプランターの場合は、2〜3株が目安です。

植え場所・置き場所

日当たりと水はけのよい場所に植えつけます。鉢やプランターも日当たりのよいところで育てます。

日常の管理

花後にタネが付きますので、株が弱らないよう早めに取り除きます。

冬の管理

ルピナスは耐寒性があり、本来は、霜除けの必要ありません。ただし、それは、春まきにして宿根している場合で、秋に定植して十分に根が張ってないときに霜が当たると、ひどく傷んでしまいます。枯れないまでも、春になっても貧弱な花しか咲きません。

ルピナスの花

私の住んでいる香南市野市町でもそんな状況ですので、定植が遅くなったときは、寒さが厳しくなってくる1月中旬から2月中旬ごろは不織布でトンネルをするなどして霜除けをします。

その方が、冬の間もよく生育して春までに充実した株になり、期待どおりの花が咲きます。

ただし、ルピナスは低温に当たることで花芽をつくりますので、あまり長い間、霜除けをするのはよくありません。また、温暖化のせいで、早めに定植を済ませた場合は、関東以西の温暖地であれば、年によっては霜除けの必要がないようになってきています。

肥料

肥料は、控えめにします。特にチッソ肥料は控えめにします。

花壇に植える場合は、元肥として化成肥料を1u当たり30gほど施しておきます。

鉢やプランターに植える場合は、市販の草花用の培養土を使用する場合は、培養土に元肥が入っていますので、追肥として液肥を定期的に施します。用土を調製したときは、植えつけ時に緩効性の化成肥料を与え、後は、追肥として液肥を定期的に施します。

病気・害虫

アブラムシがつきやすいので注意します。

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