リナリア

リナリアの花
写真 'グッピーバイカラー'
撮影時期 2019.3.12
栽培状況 秋まき後、庭植え(冬は不織布でトンネルして霜除け)

科名・属名

オオバコ科
ウンラン属

園芸分類

秋まき一年草

別名

姫金魚草

原産地

北アフリカなど

用途

庭植え、鉢植え

花期

3月〜4月

【リナリアについて】

リナリアは、北アフリカが原産のオオバコ科ウンラン属の秋まき一年草です。園芸品種として栽培されているのは、モロッコ原産のビパルティタ(L. bipartita)とマロッカーナ(L. maroccana)、そして、北アフリカ原産のレティキュラータ(L. reticulata)などが交配された種間交配種です。和名をヒメキンギョソウといいますが、キンギョソウとは別属になります。

小さな花が群がって咲いたところはたいへんきれいで、花色も多彩ですので栽培するのが楽しみな草花です。高性種と矮性種がありますが、プランターや鉢植えには矮性の品種が扱いやすいと言えます。

なお、宿根リナリアは別に取り上げています。

【栽培メモ】

タネは細かいですが、育苗は比較的簡単で、いかにも春らしい美しい花が咲いてくれました。ただし、発芽後の生育がゆっくりなため、焦らずに育てる必要があります。ある程度の大きさになると生育が早くなります。

【リナリアの概要】

リナリアの花

草丈

草丈は、通常に30pほどの矮性種をよく見かけますが、切り花用の高性種になると60〜80pになるものもあります。

金魚草に似た、小さなパステル調の花を花茎に一杯につけて咲く、かわいい感じの花です。

花壇に群植した株が賑やかに咲いていると、思わず目を引きつけられます。そのせいか、最近では、春の花壇に欠かせないものになってきている感じがします。

花色は、ピンク、白、イエロー、紫、濃桃紅などがあり多彩です。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 やや弱い
耐暑性 弱い

耐寒性はそれほど強くないので、冬は霜除けをすると安心です。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:やや難しい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Linaria hybrida

学名の説明

Linaria・・・・・ linum(アマ)に由来します。

hybrida・・・・・「雑種の」

bipartita・・・・・「二つに深く裂けた」

reticulata・・・・・「網状の」、「網目状の」

maroccana・・・・・「モロッコの」

【主な種類と品種】

グッピー系

草丈20pほど矮性で、パステル調の色彩が美しい系統です。

グッピーバイカラー

グッピーのバイカラー種で、派手な色彩が魅力です。

フラメンコ

草丈30〜40pほどで、鮮赤色に下弁が黄色でコントラストが強烈な品種です。

ヘロン系

切り花用の高性種です。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ タネから育てる場合は、発芽後の生育がゆっくりですので、気長に育てます。

タネまき

タネから育てる場合は、発芽適温が15〜18度ですので、9月下旬〜10月上旬に育苗箱やピートバンにまきます。タネが細かいので、厚播きにならないようにします

立枯病が発生することがありますので、清潔な用土を使用します。好光性種子ですので、覆土はせず、発芽するまで底面給水で管理します。

発芽後の苗の生育は緩慢ですので、本葉が2〜3枚のころに、まずは2号(6p)のポリポットに植え替えます。2号ポットに根が回ってくるころには冬に近づいてきますので、3号(9p)ポットに植え替えてフレームや無加温のビニールハウスなどで育苗を続けます。

早くタネを播き育苗がスムーズにいけば、冬のくる前に定植できるようになります。

リナリアの花

植え付け

苗が早く育った場合は、冬の来る前に花壇やプランターなどに定植できますが、花壇に植えた場合は霜除けが必要です。

冬場にフレームなどで育てた苗は、3月になって暖かくなってきたら花壇やプランターに定植します。ただし、余寒に備えて不織布でトンネルをすると生育が早まります。

酸性土壌を嫌いますので、花壇に植える場合は、植えつけ前に苦土石灰を1u当たり100gほど撒いて、庭土とよく混ぜておきます。

植え付けの際は、腐葉土(又はバーク堆肥)を1u当たり10Lほど入れ、化成肥料も混ぜて、庭土を深さ30cmほど耕してから植えつけます。過湿に弱いので、少し高畝にします。

育苗の手間がかけられない方は、春になると園芸店やホームセンターなどで苗が売られていますので、これを買ってきてプランター植え込めば簡単に楽しむことができます。

鉢植えの用土

市販の草花用培養土もしくは赤玉土、腐葉土(又はバーク堆肥)、パーライトを6:3:1程度に混ぜたものなどを使います。

株間

通常20p程度の間隔で植え付けますが、密植する方が見栄えがしますので、多少詰めて植え込む方法もあります。プランターに植える場合は、15〜20cmの間隔とします。

植え場所・置き場所

水はけのよいところなら、半日陰地でも育ちますが、日当たりのよい場所がよく育ちます。鉢やプランターも日当たりのよいところに置いて育てます。

日常の管理

タネから育てると、徒長することがありますが、そういう場合は摘芯をしてやると草姿が整います。

鉢やプランターで育てる場合は、過湿にすると立ち枯れ病が発生しやすくなりますので、過湿にならないよう注意します。

高性種は、開花の頃になると風雨で株が倒れそうになることがあります。その場合は、早めに支柱を立てて倒伏を防ぎます。

冬の管理

寒さには比較的強いですが、年内に花壇に定植したときは、不織布でトンネルをするなどして霜除けをします。

リナリアの花

鉢やプランターに植え込んだ場合は、霜の当たらない軒下の置くようにします。

肥料

植えつけ時に肥料を与えすぎると徒長して、倒れやすくなるだけでなく、茎葉が茂り開花が遅れますので、窒素分の多い肥料は避けた方が無難です。

花壇に植えるときは、化成肥料を1u当たり30gほど与えます。追肥は特に必要ありません。

鉢やプランターに植える場合、市販の草花用の培養土を使用するときは、培養土に元肥が入っていますので、植えつけ後、暖かくなってきたら、液肥を2週間に1回程度施します。

用土を調整したときは、植えつけ時に緩効性の化成肥料を与え、後は、同様に追肥をします。

病気・害虫

生育期にアブラムシがつきやすいので、見つけたら早めに殺虫剤を散布します。

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