ハナカイドウ(花海棠)

ハナカイドウの花
写真 ハナカイドウ
撮影時期 2000.4.14
撮影場所 高知城にて

科名・属名

バラ科
リンゴ属

園芸分類

落葉中木

別名

カイドウ
スイシカイドウ

原産地

中国

用途

庭植え

花期

4月

【ハナカイドウについて】

ハナカイドウ(花海棠)は、中国原産のバラ科リンゴ属の落葉中木で、単にカイドウと呼ばれることもあります。枝一杯に淡紅色の花をつける大変華やかな印象を与える木で、満開のときには紅色の蕾と淡い紅色の花が枝一杯になって、実に春らしい雰囲気にさせてくれます。場所があれば1本植えたくなるような花木です。

本来は一重ですが一般には八重咲きが栽培されています。和風庭園によく植えられていますが、洋風の庭に植えても違和感はありません。

スイシカイドウとも呼ばれますが、このスイシいうのは「垂糸」と書き、長い柄を垂らして花が咲くところから来ています。近縁種のミカイドウは、ハナカイドウとは別種で、ウケザキカイドウとも呼ばれ、花が上向きに咲きます。

【栽培メモ】

丈夫な木のはずですが、以前植えていたときは、大きくなる前に根元にテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が入って枯れてしまいました。時々観察して手を打てばよかったですが、時期を失してしまいました。

その後、大花八重咲きのオオヤエカイドウという品種を植え直してみました。今のところ問題なく育っています。

【ハナカイドウの概要】

ハナカイドウの花

樹高

落葉中木で、高さは4mほどになります。

花梗が細長く垂れるところに特徴があります。蕾が紅色で、開くとともに弁の色が淡紅色になります。

花付きがすばらしく、満開時には花で木が覆われます。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 強い
耐暑性 強い

耐寒性は強く、北海道南部あたりまで植栽が可能です。一般には温暖地よりも寒地によく育つ花木と言われています。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

比較的やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Malus halliana

学名の説明

Malus・・・・・ギリシャ語の melon(リンゴ)が語源です。

halliana・・・・・アメリカの植物学者 Harvey Monroe Hall への献名

【主な種類と品種】

ハナカイドウの種類と近縁種です。

ヤエカイドウ
M. halliana var. parkmanii

八重咲きの大変華やかな花が咲きます。

シダレカイドウ
M. halliana var. pendura

小枝が垂れる珍しい品種です。

ミカイドウ
M. micromalus

高さ5mになり、花は一重です。ウケザキカイドウとも呼ばれます。ハナカイドウと異なり花が上向きに咲きます。命名者は、牧野富太郎博士です。

ノカイドウ
M. spontanea

霧島山に自生する種類で、蕾は赤色で開花すると白に近い淡桃色の上品な花をつけます。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 剪定の際、徒長枝は付け根から10芽ほど残すようにします。

植え付け

植え付けは、関東以西の温暖地では12月若しくは2月、寒い地域は3月ごろが適期です。

大きめの植え穴に腐葉土やバーク堆肥を入れ、庭土とよく混ぜて植えつけます。その際、接木した部位が埋まるくらいにします。

ハナカイドウの花

植え場所

日当たり、水はけのよいところを選びます。日陰に植えると、期待した花は望めません。

剪定

剪定は落葉している12月〜2月頃行います。

ハナカイドウは、枝が長く伸びますがこの枝には花が咲かず、その年に伸びた短くて太い枝に花芽が付き、翌春に開花します。

そこで、この徒長枝を切り詰めますが、枝を付け根から切らず数芽から10芽ほど残すようにします。

こうすると、残した部分から花芽の付く短枝が伸びてきます。

また、古くなった枝を切りつめて、基部の短枝を増やしていくようにします。

肥料

2月に寒肥として油カスと骨粉を混ぜたものを施します。

病気・害虫

アブラムシ、カイガラムシがつくことがあります。それから恐ろしいのはテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)で、食害を受けると木が著しく弱り、ひどいときは木が枯れてしまいます。定期的に薬剤を散布してカミキリムシの産卵を防ぎます。

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