ゼラニウム

ゼラニウムの花
写真 ゼラニウム
撮影時期 2012.5.14
栽培状況 春播き後、鉢植え(2年目)

科名・属名

フウロソウ科
テンジクアオイ属

園芸分類

多年草

別名

テンジクアオイ

原産地

南アフリカ

用途

鉢植え

花期

3〜11月

【ゼラニウムについて】

ゼラニウムは、南アフリカ原産の半耐寒性の多年草です。長期間咲き続けるのて利用価値が高く、栽培されることがとても多い花です。なお、ゼラニウムという名前は、以前にゼラニウム属(ゲラニウム属)に分類されていたことによるもので、テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)とされた後も、昔の名前で呼ばれています。

ところで、ゼラニウムとして流通しているのは、ゾナレ系(ホルトルム)で、モンテンジクアオイの和名のあるゾナレ(P. zonale)とテンジクアオイの和名を持つインクイナンス(P. inquinans)が主になった交配種です。

最近の品種はとても豪華になり、八重咲きの大きな花房の品種が出ています。また、花色も一層洗練されて、絞り咲きの品種なども見ることができます。花期も長く、鉢やプランターなどで大いに楽しみたい花です。

なお、株がたくさん欲しい場合は挿し木が簡単ですが、タネからも容易に育てることができます。

【栽培メモ】

案外と短命な多年草ですので、2年、3年と育てていると、だんだんと元気がなってきます。

タネから播いて育てても、特に問題なく育ってくれます。春に播いて、その年にも花が咲きますが、株が充実した翌年によく咲いてくれました。

【ゼラニウムの概要】

ゼラニウムの花

草丈

高性種は50pを超えます。矮性のものは30p程度です。

花色は、朱赤色、ビンク、橙、白、覆輪と多彩です。温度さえあれば1年中咲いています。

これまでは一重咲きの品種がほとんどでしたが、八重咲きの品種もたくさん出てきています。

耐寒性・耐暑性

耐寒性 やや弱い
耐暑性 比較的強い

日当たりを好みますが、夏の暑さにはあまり強くありません。

また、耐寒性も弱いので、温暖地でも冬は日当たりのよい軒下に置いた方が安全です。寒地では日当たりのよい室内に置きます。

(強い、比較的強い、やや弱い、弱い、の4区分。判断基準は、こちら)

栽培難易度

※ タネから育てる場合:比較的やさしい

※ 苗から育てる場合:やさしい

(やさしい、比較的やさしい、やや難しい、かなり難しい、の4区分)

学名

Pelargonium × hortorum

学名の説明

Pelargonium・・・・・・ギリシャ語の pelargos(コウノトリ)が語源です。

hortorum・・・・・「庭園の」、「花壇の」

zonale・・・・・「帯の」、「地域の」

inquinans・・・・・「汚れている」、「色がなくなっている」

【主な種類と品種】

'アメリカーナ'

栄養系の八重咲きの品種群で、大きな花房と鮮やかな色彩のものがあります。

'ラビットアイ'

実生系で、淡い桃色地に、中心は桃赤色になる一重咲きの品種です。

'ラズベリーリップル'

実生系で、淡い桃色地に、赤の絞りが入る一重咲きの品種です。

アイビーゼラニウムモミジバゼラニウムは、別に取り上げています。

【 育て方 】 −私はこう育てる−

栽培のポイント

※ 花がらをこまめに取り除いて、見栄えをよくします。

※ 株が古くなってくると次第に衰えてきますので、さし芽をして更新します。

タネまき

ゼラニウムは、タネから比較的容易に育てることができます。発芽自体も良好です。

発芽適温が高いので、タネまきの時期は4月下旬〜5月中旬が適期です。箱播きにして、タネが隠れる程度に薄く覆土します。一袋に入っているタネの数が少ないので、ポリポットや小鉢に直接播いてもかまいません。

箱播きにした場合は、発芽後、本葉が3〜4枚のころにポットに植え替えて、薄めの液肥を与えながら育苗します。

植え付け

原産地が南アフリカの雨の少ないところですので、高温多湿が苦手です。このため、花壇で栽培するのには適してなく、鉢やプランターに植えて育てます。

タネを播いて育苗して育てた場合は、ポットに根が回ったら鉢やプランターに植えつけます。

ゼラニウムの花

苗を植えつける場合は、春を中心に開花株が園芸店やホームセンターなどに出ていますので、これを買って植えつけます。小さい鉢に植えられて根詰まり気味になっている場合は、根鉢をあまり崩さないようにして一回り大きい鉢に植え付けます。

種苗会社のカタログには品種名の付いている株も出ていますので、好きな品種を選んで育てることができます。

鉢植えの用土

用土は、水はけのよいものであればよく、私は、赤玉土、鹿沼土、バーク堆肥を4:3:3程度に混ぜたものを使ってますが、問題なく育っています。

市販の培養土でも差し支えありません。

植え替え

鉢の場合は毎年、プランターの場合は2年に1回を目安に、春先に植え替えをします。

植え替えに併せて、伸びすぎた枝を切り戻し、枯れた部分は切り取っておきます。

置き場所

秋から春の間は、雨のかからない日当たりのよい軒下に置くようにします。

株間

鉢植えの場合は5〜6号鉢に1株、標準の65pのプランターに2〜3株が目安です。

日常の管理

乾燥気味に育てることが大切で、かわいがりすぎて水を与えすぎるとよく育ちません。過湿にならないようにします。

次々と花が咲いてきますので、花がらをこまめに取り除いて、見栄えをよくします。花の終わった花茎は早めに取り除きます。併せて茶色くなった葉も一緒に取り除きます。

夏の管理

強光を避け、風通しのよい半日陰におきます。夏は成育が衰えますので、過湿にならないよう水やりは控えめにします。

冬の管理

温暖地であれば、冬も霜の当たらない軒下で大丈夫ですが、寒地は室内に取り込んだ方が安全です。

水やりは、かなり控えめにします。

ゼラニウムの花

ふやし方

株が古くなってくると次第に衰えてきますので、さし芽をして更新します。5〜6月か9〜10月に5pほど切り取って、バーミキュライトなどに挿せば容易に発根します。

このとき、2〜3日程度日陰に置いて、切り口を乾かしてから挿し芽をします。過湿にしすぎると切り口が腐ってしまうので注意します。

肥料

生育期間中は、月に1回、緩効性の固形肥料を置肥するか、10日に1回程度液肥を与えます。油カスのようなチッソ分の多い肥料を与えすぎると、花付きが悪くなるので注意します。

病気・害虫

過湿にすると茎腐病が出ることがあります。

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